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ECBの6月政策理事会のAccount-Implementation

NRI研究員の時事解説 7/11(月) 9:17配信

はじめに

ECBによる6月の政策理事会は、声明文やドラギ総裁の記者会見が示すように、実体経済が堅調である中で、3月の大規模な追加緩和パッケージの効果を確認することに主眼があった。それでも、公表されたAccount(議事要旨)をみると、今後を展望する上で参考になる議論が行われたことも窺われる。いろいろあって多少出遅れたが、いつものように内容を検討したい。

「執行部」による経済情勢判断

プラート理事による「執行部」側の説明は、ユーロ圏の実体経済が堅調に推移している点を強調している。牽引車は引続き個人消費であり、雇用所得の順調な回復と低位な商品価格によって、今後も拡大するとの期待を表明している。また、金融危機によるpent-updemandが耐久消費財の拡大を支えているとの評価も示している。

加えて、設備投資も一時の停滞を脱していることを強調し、事業法人の負債残高が依然として高いことを認めつつも、高水準の留保利益や資金調達の容易さ、金利負担の顕著な低下-経常利益に占める純金利支払は2008年末の9%から、昨年末は2%まで低下-といった金融面の要因を強調している。

一方、インフレ率には足許で変化はみられないが、基調を示す指標に殆ど上昇の兆しがみられないと指摘し、低インフレが長期化することによるsecond round effectに警戒感を示している。具体的には、(エネルギー以外の)輸入物価の上昇や経済活動の好転に伴う物価上昇圧力が、低位なエネルギー価格と賃金上昇の停滞によってoffsetされているとの理解を示すとともに、投入価格の下落の下で企業は産出価格引上げのインセンティブが乏しいとの見方を示した。

最後に、金融面に関しては、足許で貸出金利の低下は停滞しているが、ECBによるサーベイの結果をもとに、中小企業を含めた企業の資金調達環境が改善し、銀行も低利での貸出を積極化していると評価した。もっとも、金融環境の緩和度合いは各国によって依然として大きく異なると指摘したほか、銀行セクターのPBRの低さは経営統合や不良債権処理を求める市場の声を反映している可能性があると付言した。

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最終更新:7/11(月) 9:17

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