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【セルジオ越後】アーセナル移籍の浅野が、重圧に負けないか心配だ

SOCCER DIGEST Web 7/11(月) 6:00配信

4位に食い込んだロンドン五輪のように、リオ五輪でも大躍進は可能だ。

 7月1日にリオ五輪の登録メンバーが発表された。これと言ったサプライズはなく、浅野ら無難な人選に落ち着いた印象だね。
 
 もっとも、スムーズにメンバーを発表できた点は良かった。他国の状況を見渡せば、ブラジルやアルゼンチンは大会が迫ったこのタイミングで監督交代に踏み切っているし、OA枠が決まらないケースも多々見られるからね。
 
 8月5日のグループリーグ初戦・ナイジェリア戦まで1か月を切った。世の中の雰囲気を見ると、前回のロンドン大会同様、五輪チームへの期待はさほど大きくないように感じる。ただ裏を返せば、気負うことなく、思い切り臨める状況だけに、その意味では“見返してやる”という精神でぜひ頑張ってほしい。
 
 大会は短期勝負で、他国も決して経験豊富な選手ばかりではないだけに、日本の付け入る隙は十分ある。初戦のナイジェリア戦に勝利し、勢いに乗れれば、メダルまであと一方という4位に食い込んだロンドン五輪のように、大躍進も可能だ。
 
 しかし、逆に初戦を落とすと悪い流れを断ち切るのは簡単ではない。連敗で早々に絶望的な状況に追い込まれ、本領を発揮できないまま大会を去るケースもあり得る。
 
 一方で気掛かりなのは、リオ五輪の価値が低下している点だ。今年は不運な事情もあって、コパ・アメリカやEUROが重なり、これまでの五輪に比べると、実力者の招集が一層困難になっているようだね。
 
 たたでさえ、海外のクラブは選手の派遣を渋る傾向にあり、五輪のステータスが下がっている感は否めない。今大会は開催国のブラジル以外、強豪国の“五輪熱”はどこか冷めているような気がするよ。
 

否が応でも浅野はスポットライトを浴びる。メディアの“格好の餌食”になりかねない。

 日本のリオ五輪登録メンバーで最も注目を集めているのが、アーセナルへの移籍が決まった浅野だろう。
 
 世界的に名の知れたビッグクラブだけに当然とも言えるが、肝心なのは『アーセナル』という看板ではなく、移籍の中身だよ。過去には宮市の例もあり、二の舞を踏まないか心配は尽きない。
 
 宮市の場合、英国の就労ビザ発行基準を満たせず、アーセナルと契約直後にオランダのフェイエノールトへレンタル移籍。その後はクラブを渡り歩き、結局、アーセナルでのリーグ戦出場は1試合のみに終わった。
 
 怪我による戦線離脱もあったとはいえ、アーセナルと契約した時の期待が大きかった分、周囲のプレッシャーに苦しんでいたように見えた。
 
 翻って浅野はどうか。移籍自体を貶す気はないし、むしろ素晴らしいことだと思う。実際、浅野は世界に羽ばたく大きなチャンスを掴んだわけで、そのチャレンジ精神も大いに称えたい。今後の活躍次第では、選手としての価値も急騰するだろう。
 
 懸念しているのは周囲の雑音で、期待という名の重圧に負けないか心配だ。本来はリオ五輪で活躍し、周囲が認める結果を残してから移籍というのが望ましかった。
 
 その順番が逆となり、要求のハードルが一気に高くなってしまったよね。それが良い方向に転べば何も問題ないけど、悪い方向に転ぶと……。
 
 大会前に移籍が決まり、否が応でも浅野はスポットライトを浴びるだろう。その結果、メディアの“格好の餌食”になりかねないから、一層不安が募るよ。
 
 

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最終更新:7/11(月) 6:00

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