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英国EU離脱で勢いづくフランスの「反欧州」派

JBpress 7/11(月) 8:05配信

 2017年春のフランス大統領選まで、1年を切った。世界中に衝撃を与えたブレグジット(Brexit:英国のEU離脱)は、フランス大統領選にどんな影響を与えるのだろうか。

■ 勢いづく極右政党

 大統領選に出馬を表明している政治家の中で、今、ブレグジットを追い風として最も意気軒高なのが、極右政党「国民戦線」(Front National:FN)党首のマリーヌ・ルペンだ。

 彼女は早くから英国はEUを離脱するだろうと見ており、今や同党が掲げる「反欧州」路線は「間違いない」という確信を持つに至った。

 同党の副党首で、マリーヌ・ルペンのスポークスマンであるフロリアン・フィリッポは、「我々が政権の座に就いたら、まず6カ月以内にユーロの使用を取りやめ、フランを再導入する」と断言している。「Brexit、今やフランスだ」との文字を入れた大統領選用のポスターも準備中だ。

 同党は、マリーヌの父親であるジャン=マリ・ルペンが1972年に創立した。ジャン=マリ・ルペンは党首時代に、「強制収容所のガス室は歴史の些細な出来事に過ぎない」などと発言し、堂々と「外国人排斥」「人種差別」を標榜していた。フランスでは刑法で人種差別が禁止されているにもかかわらず、こうした人種差別的発言で何度も罰金刑の有罪判決を受けた。まさに確信犯である。

 三女のマリーヌが2011年に党首に就任すると、支持層を広げるため「反欧州」「フランスの主権堅持」の主張を強く打ち出すようになった。彼女は、EUが「現状を知らない“机上の空論“を振り回すブリュッセルの官僚に支配されている」と非難する。

 こうした路線によって同党は、従来は右派政党の支持者だった農民層や、社会党や共産党支を持者していた労働者層などからも幅広く支持されるようになった。

 農民層は、EUの「共通農業政策(PAC)」や「シェンゲン協定」(EU域内でヒトやモノが自由に往来できるようにする協定)によって、スペインやギリシャなどから安い野菜や果物が流れ込んでくることに不満を募らせていた。労働者層も、中欧や東欧の労働者に仕事を奪われるとして不平をかこっていた。

 「難民受け入れ拒否」を標榜する同党は、2014年5月の欧州議会議員選挙(比例代表制)で、予想をはるかに超える得票率24.95%を獲得して一躍トップに踊り出た。さらに、2015年の市町村選挙(比例代表制)や地方選挙(同)でも議席を飛躍的に伸ばしている。

■ 反欧州の主張で人気を盛り返した「左翼党」党首

 大統領選候補者の中で、一時、停滞していた人気を「反欧州」の主張で回復しつつあるのが、ジャン=リュック・メランションだ。メランションは、2008年に社会党を脱党し「左翼党」という新党を結成して共同党首の1人を務めている。

 以前から欧州議会議員として「ドイツ支配のEU」への反感を募らせていたメランションは、最近「EUは加盟国同士の競争激化で破壊を宣告されている」と指摘。ブレグジットを受けて、ますます“反欧州”の発言を強めている。

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最終更新:7/11(月) 8:05

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