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改憲勢力3分の2超に、それでも大健闘だった民進党

JBpress 7/11(月) 18:35配信

 今回の参院選挙の見どころは2つだったと思う。1つは、改憲勢力が衆議院に続いて参議院でも、憲法改正発議が可能となる3分の2以上確保できるか否か、ということ。もう1つが、4野党の統一候補がどれだけの戦績を収められるか、ということだった。

■ 「3分の2」問題争点化の効果は? 

 民進党の岡田代表は、改憲派に3分の2以上の議席を獲得させないことを選挙の大きな争点として押し出していた。これに対して、安倍首相は、あくまでもアベノミクスの推進を前面に押し出し、岡田代表ら野党の憲法争点化を無視する作戦を展開した。

 開票日の記者会見で岡田代表が、「憲法の争点を隠すなど(与党は)逃げて逃げて戦いになっていなかった」と述べたが、そうだったのだろうか。

 確かに、この問題で与野党が激突するような論戦はなされなかった。だが朝日新聞の出口調査によれば、投票に当たってもっとも重視した政策課題は、1位が「景気・雇用」の28%、2位が「社会保障」の15%、3位が「憲法」の14%となっている。4位の「子育て支援」の13%よりも「憲法」が上回っているのである。新聞各紙も「3分の2」問題を積極的に報道していた。改憲がここまで選挙の焦点になったことは過去にはなかった。

 その意味では、野党側の作戦は、ある程度は功を奏していたのである。

 朝日新聞の出口調査によれば、1人区で公明党支持層の24%が野党統一候補に投票している。憲法改正とも関わって、自民党議員を増やすことへの抵抗感があったのではないだろうか。民進党が3年前より前進できた背景に、この作戦が貢献していたのかも知れないということだ。

 共産党の志位委員長は、「国会の結果で改憲に信任状が与えられたとは言えない」と語っているが、これはまったく無意味な発言だ。少なくとも野党は、「3分の2」問題を争点化した。その結果、改憲派が3分の2以上を参院でも確保することになった。これは厳然たる事実だ。だが、憲法をどう変えるかは、そもそもまったく別の問題である。

 安倍首相自身が「この選挙で改憲の是非が問われていたものではない」と述べるとともに、「(憲法改正の国会発議に向けて)しっかりと橋はかかったんだろう。私の(自民党総裁)任期はあと2年だが、憲法改正は自民党としての目標だから落ち着いて取り組みたい」と語っている。

 首相が言うように、今度の選挙結果は、「信任状」とか何とかではなく、国会が憲法改正を発議する条件ができたということなのだ。どう改正するかは、まったく次元の違う話なのである。

■ 野党統一候補は大成功だった

 産経新聞(7月11日付)は、18面で「消沈 共闘空回り」という大見出しを掲げている。だが、これはいくらなんでも無理筋の見出しだ。

 3年前の参院選では、31ある1人区で自民党の29勝2敗という完勝だった。だが今回は32ある1人区の勝敗は、自民党の21勝11敗だった。互角には程遠いが、3年前に比べれば大きく押し返したことは間違いない。

 自民党や公明党からは、民進党と共産党が組むことに対して「野合」などの批判が行われた。特に、藤野前政策委員長の「(防衛予算は)人殺しの予算」発言以降は、特に民共共闘への批判が強められた。

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最終更新:7/12(火) 14:20

JBpress

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