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NEWSの新曲はアイドルソングの王道を行く? 7月13日発売の注目新譜5選

リアルサウンド 7/12(火) 13:00配信

 その週のリリース作品の中から、押さえておきたい新譜をご紹介する連載「本日、フラゲ日!」。7月13日リリースからは、ウカスカジー、EXILE THE SECOND、NEWS、清 竜人25、ASIAN KUNG-FU GENERATIONをピックアップ。ライターの森朋之氏が、それぞれの特徴とともに、楽曲の聴きどころを解説します。(編集部)

■ウカスカジー『Tシャツと私たち』(AL)

 Mr.Childrenの桜井和寿、日本のラップミュージックの先駆者のひとりであるGAKU-MCによるユニット、ウカスカジーの2ndアルバム。昨年行われたイベント『MIFA Football park 1st Anniversary』で初披露された「Anniversary」、ふたりが共通の友人の結婚式に出席したことをきっかけに制作されたというウエディングソング「Celebration」、フットボールへの愛を描いた人気曲「勝利の微笑みを 君と」をDJ FUMIYA(RIP SLYME)ともにチューンアップした「前を向け」などを収録した本作には、桜井とGAKU-MCを中心にした、気の置けない仲間同士の心地よい空気がたっぷりと込められている。やはり印象的なのは、徹底的にポジティブに振り切った桜井の歌声。ときにシリアスな表現へと突き進むミスチルの世界観とは違い、ウカスカジーにおける彼のボーカルは人生をとことん楽しもうとする姿勢が強く感じられて、何だかこちらまでホッとしてしまう。7月に行われたイベント『Golden Circle』で桜井が乃木坂46の「きっかけ」をカバーしたことも大きな話題となったが、ボーカリストとしての彼のポテンシャルは年を重ねるごとに広がっているのだと思う。

■EXILE THE SECOND『YEAH!! YEAH!! YEAH!!』(SG)

 2007年に二代目J Soul Brothersとしてスタート、2009年にメンバー全員がEXILEに加入し、2012年からはTHE SECOND from EXILEとして活動してきた5人(KENCHI、KEIJI、EXILE TETSUYA、EXILE SHOKICHI、EXILE NESMITH)が今回「EXILE THE SECOND」として再出発。シングル3部作の第1弾となる「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」はEDMとFuture Bass、ヒップホップを融合させたトラックとパーティ・モード全開のリリックがひとつになったアッパーチューン。これまではどちらかというとコアなクラブ・ミュージックを志向してきた彼らだが、思い切りキャッチーに振り切ったこの曲からは、「ここから本格的なブレイクに結び付けたい」という意図が感じられる。シングル3部作に続いて、この秋からは初の単独アリーナ・ツアーも決定。近い将来、EXILEの中心メンバーになることを期待されている5人にとって2016年後半は、きわめて大きなターニングポイントになりそうだ。

■NEWS『恋を知らない君へ』(SG)

 4人体制になってからのNEWSは明らかにバランスが良く、音楽的な方向性も明確になっている印象がある。その中心にあるのはおそらく、伝統的なアイドルのスタイルをやり切るという意思。その時期に話題になっているクリエイターを起用したり、メンバー自らのアーティスト性をこれ見よがしに押し出すのではなく、ファンのニーズに応えたアイドル・ポップスを体現し続けることがNEWSの覚悟であり、それは今回のシングルにもつながっている。ドラマ『時をかける少女』(日本テレビ系)のエンディングテーマに起用された「恋を知らない君へ」は、夏の切ない情景をバックにしたラブソング。ピアノとストリングスを中心にしたクラシカルなアレンジのなかで、手越、加藤、増田、小山の声質を活かしながら、<嗚呼 あなただけは消えないで/夏の中へつれてって>というフレーズへと導く、質の高いバラードナンバーに仕上がっている。曲を聴いているときだけは疑似恋愛というファンタジーを体感できるーーそれこそがアイドルソングの王道なのだと、この曲は真っ直ぐに伝えている。

■清 竜人25『アバンチュールしようよ』(SG)

 一夫多妻制アイドルという意外すぎるコンセプトで登場した清竜人25は、どこか殺伐としたアイドルシーンにおいて“なんだかいつも幸せそう”というイメージを生み出しながら支持を広げ、今年4月には中野サンプラザ公演を成功させるなど確実に活動の規模を拡大。グループの幸福感を全面的にアピールした『LOVE&WIFE&PEACE』に続く2016年2枚目のシングル『アバンチュールしようよ』からも、現在の清と夫人たちの好調ぶり(幸せぶり)がムンムンと伝わってくる。“俺とアバンチュールしようよ”という清のセクシーなつぶやきにリードされたこの曲は、1970年代のソウル~ディスコ・ミュージックを換骨奪胎、きわめて現代的なアイドルポップへと昇華したナンバー。「TPOなどくだらないね」「BPMは下げられないね」というフレーズとともに体を揺らしているとつい「“楽しむことが最大の復讐”ってホントかもな」などと思ってしまう。その中心にあるのはもちろん、清の卓越したソングライティングとプロデュースワーク。ポップス・クリエイターとしての彼の才能を活かす装置として、このプロジェクトはさらに機能し始めている。

■ASIAN KUNG-FU GENERATION『ブラッドサーキュレーター』(SG)

 「Right Now」「Re:Re:」に続く、バンド結成20周年イヤー第3弾シングル「ブラッドサーキュレーター」は、TVアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』のオープニングテーマとして制作されたナンバー。アジカンが『NARUTO』のオープニングテーマを手がけるのは「遥か彼方」以来、約13年ぶり。後藤は「僕らはNARUTOという作品を特別に思っています」というコメントを発表していて、アニメ・タイアップという現在のメジャーシーンに不可欠な要素とも意味のある関係を築いていることを示唆している。「ブラッドサーキュレーター」は重厚さと鋭さを共存させたギター・フレーズからスタートするロック・チューン。アルバム『Wonder Future』(2015年)で体現したダイナミズムに溢れたサウンドメイクを継承しつつ、開放感のあるサビのメロディ、<歩みを止めないで/希望を捨てないで>という直接的なリリックを含め、わかりやすくアジカンらしさをアピールする楽曲に仕上がっている。20周年のタイミングに合わせ、過去の活動と上手く繋げながら、あくまでも“2016年のアジカン”を高い精度で表現する。知性と衝動のせめぎ合いこそが、このバンドのキモなのだと改めて実感させられるシングルだと思う。

森朋之

最終更新:7/12(火) 13:00

リアルサウンド