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41歳で突然半身不随…「七夕の願い」【病床ROCK尺】

ファンファン福岡 7/13(水) 17:18配信

5月中旬にリハビリ病院に転院して1カ月余り。七夕の季節になりました。ナースステーションには、七夕飾りが出され、入院患者や家族が、短冊に願い事を書けるようになっています。こういうところの短冊ですから、ざっと見るかぎり、願いは切実です。 「一人でトイレに行きたい」とか。 「うちに帰りたい」とか。

うちの小2の息子。面会に来ているうちに病院にもすっかり馴染んでしまい、全く人見知りしないんです。誰に似たんだか。いつの間にか短冊も書いて結んでいました。書かれた願い事は 「家族が元気で」 「パパが元気に」ではなく「家族が」というのが、この人なりの優しさなのかな。下の4歳の娘が「スケートを習いたい」という、あくまでもマイペースな願いだったのと比べると、うれしいものです。家族にもうこんなことは起きてほしくないということを7歳児なりに考えたのでしょう。家族思いに優しく育ってくれたようです。

転院して1カ月経ち、病院にも慣れたということで、ナースステーションから遠い少し不便な部屋に変わることになりました。それがたまたま、息子が仲良くなったMさんがいた部屋でした。僕の新しい部屋に来て、ナースステーションが遠くて大丈夫かと心配することもなく、開口一番 「Mさん、どこ?」

あれ、家族思いはどこに行っちゃったの? それに、ぼくが救急車で運ばれているとき、ヤツは救急隊の方に「夕食のハンバーグが生焼けだったから吐いていると思います」と説明していたんだとか。生来の不思議くんなのです。

Profile 法坂一広(ほうさか いっこう)

福岡市を拠点に活動する弁護士、小説家。2011年に『弁護士探偵物語・天使の分け前』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞。以降、弁護士探偵物語シリーズを執筆する。最新作は『ダーティ・ワーク』(幻冬舎文庫、2015年)。趣味はアビスパ観戦とトレイルランニング。西日本新聞社刊登山情報紙『のぼろ』でショートストーリーを連載中。

西日本新聞社

最終更新:7/13(水) 21:40

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