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バド闇カジノ賭博は一例 元五輪選手が指摘するアスリートを取り巻く問題とは

THE ANSWER 7/13(水) 10:21配信

荻原次晴さんがアスリートを取り巻く問題を指摘

 4月に発覚したバドミントン日本代表選手の闇カジノ問題は、スポーツ界に大きな影を落とした。この問題を重く見ているのは1998年長野冬季五輪に出場し、現在はスポーツキャスターとして活躍する荻原次晴さんだ。「トップ選手になればなるほど、厳しく言えない現状がある。だけど周りの指導者たちか正しい方向に導くしかない」と周囲のサポートの必要性を説いた。

 表情を曇らせたのは、バドミントン男子シングルスでリオデジャネイロ五輪出場を確実視された桃田賢斗選手と、ロンドン五輪代表の田児賢一選手の違法カジノ店での賭博行為についての問題だった。金メダル候補とも評された桃田選手は五輪出場のチャンスを逃し、田児選手は日本バドミントン協会から無期限の登録抹消処分を受けるなど、そのキャリアに大きく傷をつけた。

 もちろん選手自身の自覚のなさが招いた不祥事であることは確かだが、荻原さんは別の部分にも問題があったのではないかと指摘する。

「バドミントンの闇カジノ問題で一番残念だったのは、彼らに対してアドバイスする人がいなかったことにあると感じています。トップクラスの選手だからこそ、周りが何も言えない状況になっていたのではないかと思います。選手たちの不祥事を防ぐためには、周りの指導者やスタッフたちが正しい方向に導いていくしかないのですが、トップ選手になればなるほどキツく言えなくなる傾向があります。

 田児君、桃田君も悪いですが、彼らにも可哀そうな一面があると思います。なぜ近くで見守っているはずの周囲の人間が『ダメだぞ』と言ってあげられなかったか、そこに問題があると痛感しています」

セカンドキャリアの問題も…

 日本代表クラスの選手などトップレベルのアスリートにこそ、周囲の綿密で全方位のサポートが要求される。それは競技だけでなく、セカンドキャリアの部分でも重要だと荻原さんは続ける。

「本音としては、競技に打ち込んでいるアスリートとしては“セカンドキャリア”というものは想像したくないものです。まずは、明日の練習、次の大会で結果を出す、という思いで取り組んでいますから。

 それでも、セカンドキャリアをしっかり指導したり、自身の経験を伝えられる先輩、指導者が周りにいることが本人の人生にとって大事なのです。現状ではセカンドキャリアまでのアドバイスはできていない状態が多いので、もっと身近な方が実際に指導できるようになってほしいと願っています」

 アスリートはもちろんだが、一般の人々も社会人生活をこなすうちに力がつけば、それに比例してプライドが高まってくることは自然なことである。だからこそ競技力のような専門的技術だけでなく人間性を高めておく必要性がある。それこそが人をマネージメントする側の立場に問われるスキルであることは間違いない。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:7/13(水) 10:23

THE ANSWER