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“魚離れ”に警鐘― アスリート育成にも重要な魚料理、理想の摂取頻度は?

THE ANSWER 7/13(水) 16:44配信

子どもたちの間でも“魚離れ”

 アスリートの力強いプレーを生む筋肉。その源となる栄養素はタンパク質だ。その貴重なタンパク源である魚だが、現代の日本人は摂取量が減っているという。公認スポーツ栄養士の橋本玲子さんは「最低でも2日に1回は魚料理を食べて欲しい」とアドバイスを送っている。

 食生活の欧米化によって肉料理を多く食べるようになった分、日本人が魚を食べる機会が減ってきている。1975年には1人1日当たり平均95g(塩鮭1と1/4切れ)摂取していた魚介類が、2011年には平均73g(塩鮭1切れ弱)に減少。特に子どもたちの間で魚離れが増えているという。サッカーJリーグの横浜F・マリノスやラグビートップリーグのパナソニックワイルドナイツの選手たちに栄養指導する橋本さんは「米を主食に、魚や野菜などを組み合わせた日本食は栄養バランスが非常に優れています」と話し、魚の持つメリットを挙げた。

「魚はタンパク質が豊富なのと同時に、ここ近年の研究では、魚に含まれる油がスポーツをする人のパフォーマンスにも有利に働く可能性があるとして、海外のサッカーでは、魚を積極的に摂ることを推めているそうです」

 脂質は構成される脂肪酸の種類によって、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられる。肉や牛乳・乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸は常温で固まる性質を持つため、血液の粘度が高まり、血中のLDL(悪玉)コレステロールの量が増える。一方でマグロをはじめとした魚や植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸は、常温で固まりづらいため、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにしてくれる働きがある。

日本人の魚の摂取量は依然として世界トップクラスも…

「魚を食べる量が減ったとはいえ、日本人の魚の摂取量は依然、世界でもトップクラスです。そのためバランスの取れた食事を心がけていれば、特別なサプリメントを摂らなくても、まんべんなく栄養素が補えるのです」と橋本さんは指摘する。

 タンパク源として魅力的な魚だが、橋本さんは四季の変化がある日本の長所にも言及した。

「日本のように四季がある国は恵まれていて、季節によって様々な種類の魚介類が食べられます。魚嫌いの子どもたちが増えていますが、『旬』の魚を選べば栄養価も高く、しかもお財布にやさしいので、2日に1回は魚料理を食べて欲しいですね」

 魚は力強い身体を作ると同時に、健康の維持・増進に欠かすことのできない食品である。様々な種類の魚が獲れる日本だからこそのメリットを生かさない手はないだろう。

◇橋本玲子(はしもと・れいこ)
株式会社Food Connection 代表取締役。管理栄養士、公認スポーツ栄養士。
Jリーグ「横浜F・マリノス」や、ラグビートップリーグ「パナソニック ワイルドナイツ」の栄養アドバイザー。2006年トリノオリンピックでは、フリースタイルスキー上村愛子選手を日清オイリオグループ株式会社と共にサポート。トップアスリートから未来のアスリートを目指すジュニア世代とその保護者まで、幅広いターゲットに対し、より強く、より健康になるためのメニュー提案、栄養セミナー、栄養カウンセリングなどを行っている。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:7/20(水) 16:28

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