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ショッピングモール誕生から60年、今の時代に見つけた役割

Forbes JAPAN 7/13(水) 10:15配信

1956年は、エルヴィス・プレスリーが初めてエド・サリバン・ショーに出演した年であり、ダウ平均株価の終値が初めて500ドルの大台に乗った年。そして、ミネソタ州に屋内ショッピングモール「サウスデールセンター」がオープンし、ショッピングに革命を起こした年だ––。



アメリカではその後60年で、各地に1,200以上のショッピングモールがオープンし、多くの人をひきつけてきた。しかし、音楽がこの60年でリスナーのニーズに応えるべく進化を遂げてきたのと同様に、ショッピングモールもまた、目の肥えた消費者に応えるべく変化を続けている。

アメリカ経済の低迷にもかかわらず、小売売上高は4月に前月比1.3%増、5月も0.5%増と2か月連続で増加。市場の予想を上回る伸びを見せた。

しかし、その個人消費の増加分を勝ち取るために、小売業界では熾烈な競争が展開されている。ショッピングモールが成功するためには、ユニークな経験、テクノロジーの活用と多様なテナントを最適に組み合わせる必要がある。

客を引きつける経験づくり

消費者が買い物に求めるものは今や単なる商取引ではない。彼らは雰囲気や経験を求めている。

その古典的な例が、クリスマスシーズンにサンタクロースと記念写真を撮るというコンセプトだ。2015年には映画会社ドリームワークスがこの伝統に新風を吹き込み、一握りのショッピングモールで、シュレックを主役にしたクリスマスイベントを開催した。こうしたイベントは家族客を引きつけ、結果として買い物客が増えるためテナントの小売店にとって利益になる。

旗艦店でも同じことができる。アップルでは旗艦店内のユーザーサポートコーナー、ジーニアス・バーを、ジーニアス・グローブ(木立)に進化させた。グローブには、その名のとおり木の植え込みがあり、自然を感じられる。

"出会いの場はスマホに

テクノロジーが買い物を楽にした良い例が、クリック&コレクト―消費者がオンラインで商品を購入し、店舗でピックアップできる―サービスだ。ICSC(国際ショッピングセンター協会)の2015年の調査によれば、同サービスを利用する消費者の75%は、商品ピックアップのために訪れた店舗で、予定外の商品も購入している。

Eコマースはオンライン店舗と実店舗、両方の売上増につながっている。ショッピングモールにとっては、Wi-Fiの強化やIoTソリューションの活用によって駐車場の情報や消費者のロケーション分析などの実用的な情報をリアルタイムで得ることができる。

アメリカでは多くのモールが、ジャイブストリーム(Jibestream)の開発したモバイルアプリを展開。買い物客に店舗から次の店舗への進路案内や、車を停めた場所までのナビゲーションサービスを提供している。また、コスメショップのセフォラなどでは、ユーザーのモバイル機器に、その人に合わせたお薦め情報を送ると同時に消費者データの収集を行うビーコンテクノロジーを採用している。

多様性のあるテナント

以前は大型有名店が占領していたスペースに、新しい小売店やレストランが入っているところもある。さらに今では多くのモールにフィットネスセンターや食料品店、診療所などが入っている。

ショッピングモールは地元コミュニティーに合わせてカスタマイズ化した、人の集まる中心地であり、地域の消費者層を理解することが重要だ。今では多くの経営者がこのことに気づいているようで、ショッピングセンター業界全体の稼働率は93.5%と、四半期稼働率としては2008年以来最も高い水準にある。

Steve Schaefer

最終更新:7/13(水) 10:15

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