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【現地記者の英国通信】テロで負った痛みとフランスの残念な幕切れ

SOCCER DIGEST Web 7/13(水) 16:35配信

フレンチトリオが本来のクオリティーを発揮できず。

 15回目のEURO決勝が終わった。結果は1-0でポルトガルが勝利し、初の欧州制覇を成し遂げた。私はその結果を残念に思っている。正直に言ってフランスが勝つことを私は望んでいたからだ。
 
 その理由は、去年、2つの残忍なテロ行為がフランス国民を襲っていたからである。
 
 2015年1月7日、フランスの風刺週刊誌を発行している「シャルリー・エブド」を武装したテロリストが襲撃。同年11月13日にはパリ市内5か所で同時多発テロが発生し、フランス国民の心に深い傷を負わせたのだ。
 
 フランスのEURO制覇によって、傷ついた人々にポジティブなニュースになるならばと私は望んだが、それは叶わなかった。
 
 フランスは、これまで傑出した能力を示してきたポール・ポグバ、ディミトリ・パイエ、アントワーヌ・グリエーズマンのフレンチトリオが決勝戦で、そのクオリティーを発揮できなかったのが痛手だった。
 
 一方、ポルトガルはヤングスターのレナト・サンチェスが、バイエルンが欲しがった理由を大いに示し、その実力を存分に発揮していた。
 
 出場国数が16から24に増えた今大会で私は、一人のスターがどうやって平凡なチームを牽引するかにも注目していた。
 
 ガレス・ベイルとクリスチアーノ・ロナウドの2人は決して自分より優れたプレーヤーが味方にいたわけではないが、チームを引っ張っていた。とくにベイルは素晴らしかった。
 
 準決勝でポルトガルに2点差をつけられたウェールズの面々は意気消沈していたが、ベイルだけはアディショナルタイムになっても必死にボールを追いかけ、諦めない姿勢を示していた。
 

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大会そのものは成功したと言える。

 欧州の一大トーナメントは無事に終わったが、大会中、最後まで席に座ったまま集中して見続けたという試合はほとんどなかった。正直に言えば、早く終わって欲しいと思う試合も1、2試合あったほどだ。
 
 そういうことを考えると今大会は、過去のEUROに比べれば白熱した試合は少なかった。しかし、フットボールの良さは至る場面で見られ、大会そのものは成功したと言えると思っている。
 
 成功の要因となった1つは、各国ファンたちの存在だろう。とりわけ熱の籠ったチャントでトーナメントとチームを盛り上げたウェールズとアイルランドのファンは代表的な例と言える。
 
 熱狂的なファンの声援はまるで、テロリストに対する直接的な反応であるかのように、熱意に満ちていた。
 
 これに加えて、準々決勝まで勝ち上がったアイスランドも、EURO2016を語り継いでいくうえで、忘れられないチームとなった。メジャー大会では、いわば、“新顔”である彼らの躍進は見る者に多大な影響を与えたに違いない。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 

最終更新:10/14(金) 11:35

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