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全世界で圧倒的な人数にプレイされた“脱出ゲーム“『DOOORS』シリーズを生み出したデザイナーの素顔とは?

CGWORLD.jp 7/14(木) 12:20配信

Webで確立され、モバイルデバイスの普及に伴ってより一般的なものとなったゲームジャンルの1つに、“脱出ゲーム“が挙げられるだろう。今回紹介するのは、3DCGビジュアルを用いつつ、その脱出ゲームにおいて「ステージクリア型」という、1プレイが短くモバイルシーンにより最適化された仕組みを初めて世に送り出した、『DOOORS』シリーズの作者を紹介する。世界累計で3,000万ダウンロードを優に超え、ニンテンドー3DSでも発売。その、とんでもない大ヒットシリーズを生み出したスモールディベロッパーの人物像、そして企画からCG、デザイン、ゲームエンジンの使い方まで、さまざまな話を濃密に伺った。

仕事に関することはすべて独学。デザインもCGも、そしてプログラムも

シンプルで幾何学的に美しい、そんな洗練されたデザインと誰でも遊べるシンプルな内容が、国や言語を超えて受け入れられるのだろうか。2011年に初作がリリースされ、世界各国のアプリストアで大ヒットを飛ばした『DOOORS』シリーズは、1ステージ(1部屋)ごとに配置されたドアを開くためのシンプルな謎を解いて、次々にステージを進めていくという、いわゆる“脱出ゲーム“だ。そのビジュアルは、(CGWORLD的には珍しい)Shade Professionalを用いてデザインされたCGビジュアルによって、構成されている。初期のシリーズ作品ではプリレンダーCGを画像アセットとして読み込んで平面的に使用するスタイルだったが、直近のシリーズ2作品『DOOORS ZERO』、『DOOORS APEX』では、ユーザーが自由に部屋を見渡せるリアルタイムCGの導入も始まった。

「最初は本当に趣味というか。直接ユーザーさんから反応がもらえるのが楽しい、というだけでゲームを作り続けていましたね」

そう語る58worksの野々山鉱二氏が脱出ゲームを作り始めたのは、2007年頃にまで遡る。Webブラウザベースで、Flashによる表現が流行していた当時のことだ。

「元々デザイン会社をやっていて。会社と言っても二人で立ち上げただけで、しかもゴタゴタしてすぐ一人になったんですけどね(笑)。主にはパンフレットやポスターといった紙媒体のDTPやグラフィック、それにパッケージデザイン、イラスト制作などを請け負って仕事をしていました。そのうち、時代の流れでWebデザインやインタラクティブメニュー制作のような仕事が増え始めて。それで、そもそも興味があったのと技術習得を兼ねて、Flashと3DCGを触り始めたんです。それからは、受託のデザイン業務の傍らで、空いた時間......というかヒマになったらゲームを作ってWebで発表したり、といった感じになっていきました」。

当時からグラフィックデザイン事業で独立していた野々山氏だが、実はそのデザインや制作に関わる知識全般が、ほぼ独学によるものだという。大学時代もごく普通の文系学生で、たまたま面白そうだと思って広告会社のDTP制作部門に就職したところから、そのキャリアをスタートさせている。

「絵を描くのとかは、昔から好きで得意でしたけどね。芸術学を体系的に学ぶとか、そういう機会があったわけではなくて。仕事を始めてから全部独学ですね。最初に入った会社で学べたことも、PhotoshopやIllustratorなどのソフトの操作を覚えたくらい。概ねフォーマットの決まったチラシなんかをつくるのがメインだったので、あまり優れたデザインとか色彩構成、配色等の勉強にはならなかったかな(笑)」。

会社でのDTP業務に魅力を感じなくなった野々山氏は、前述のように独立してデザイン会社を興す。それが2000年ごろのこと。その後順調に仕事を増やしていくことになるが、それと同時に、傍らで始めたゲーム開発のほうにより興味を抱いていく。

「仕事として安定していなかったわけではありませんが、デザイン業務は受託なので、事業として先々はあるのか? という疑問は常にあって。裏でゲームづくりを続けていたのは、面白かったのもあるけど、そういう思いも影響していたのかもしれませんね」。

野々山氏が2007年からWebで発表し続けていた脱出ゲームは、そのビジュアルクオリティの高さや遊びやすさから、アクセスを集める存在になっていく。作品数も増え、趣味レベルとはいえ、つつましく貼られたGoogleアドセンス広告から得られる収入も、それなりのプラスアルファにはなっていったという。

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最終更新:7/14(木) 12:20

CGWORLD.jp

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