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「なりたい自分」になるには「他人に自分がどう見えているか」を気にしよう

ライフハッカー[日本版] 7/14(木) 21:10配信

Inc.:私が作家と名乗れるようになるまでにはかなり時間がかかりました。

私はこのコラムをもう2年ぐらい書いており、読者数は数百万人に達しています。ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家のゴーストライターとして書いている本がもうじき完成してこれが私の最初の本になりますが、自分の名前で書いている本も2、3カ月のうちに上梓できる予定です。

でも、こうなる前はどうだったのでしょう。果たして私は作家だったでしょうか?

私の高校の英語の先生は(彼女自身も本を出版している作家でしたが)、私には文章を書いて生きていく才能があると言ってくれました。しかし私は別の道を歩むことになりました。それからの20年間、私の書くものといえば、家族や友人への長々とした礼状やお祝いのカード、職場のパーティ用のユーモラスな小話、恋人へのラブレターぐらいでした(幸いにして、そのラブレターは功を奏し、今は幸福な結婚生活と2人の子供に恵まれています)。

あるとき突然、人生に不測の変化が起こり、それが新しい可能性につながって、私は自分の情熱を傾けられる文筆の道を歩むことに決めました。いつの間にかまったく新しい世界にどっぷり浸かっている自分に気づきました。そう。まさに「どっぷり浸かる」がキーワードです。水中に頭が沈まないようにあっぷあっぷしていた私は、溺れそうな感覚にたびたび襲われました。

しかし、そのうちに、1つの成功が次の成功を呼び、顧客リストはどんどん大きくなり、とうとう手に余るほどのプロジェクトをオファーされるようになったのです。

私は作家になっていました。それとも、「初めから作家だった」のでしょうか?

「ありのままの自分」でいないほうが良い場合

ペンシルバニア大学ワートン校で心理学の教授を務めるAdam Grant教授が最近ニューヨーク・タイムズ紙に発表した論文の中で「真正性の時代」について書いています。「真正性の時代」において、人は「本物の人生を生き、本物のパートナーと結婚して、本物の上司の下で働き、本物の大統領に投票したい」と思っています。

「しかしほとんどの人にとっては、“ありのままの自分であれ“というのは実はとんでもないアドバイスです」とGrant教授は言います。

Grant教授は、人間の性格には「自己観察」という興味深い特性があり、この特性によりその人がどのぐらい真正性を求めるかが決まってくると述べています。


“自己観察力が強い人は、常に自分の置かれた環境を精査してそれにふさわしい社会的行動様式に沿っていけるように適宜調整しています。社会規範に背くのを嫌い、他人を傷つけることを必死で避けようとします。しかし、自己観察力が低いと、自分の置かれた状況に頓着せず、もっと自身の心理状態に左右されます。”


Grant教授によれば、「自己観察力が低い人は自己観察力が高い人をカメレオンかペテン師みたいだと非難します」。しかし、時と場合によっては自分に正直である必要があるかもしれませんが(恋人と一緒の場合などですが)、あまりにも自分に正直でいると、しばしばその代償を払うはめになることが研究によりわかっています。

例として、Grant教授は23000人以上の従業員を対象にした136本の研究を包括的に分析した結果を取り上げています。それによれば、自己観察力の高い人のほうが「著しく高い評価を得て、管理職のポジションに昇進する可能性が高い」ことがわかりました。

さらに研究を進めた結果、自己観察力の高い人のほうが職場では進歩が速く、高い地位を得ることがわかっています。自分の評判を気にする度合いが強いことがこうなる原因かもしれません。

だとしたら、進歩前進するためには偽りの自分を前面に出していかなければならないということでしょうか?

いいえ、そういうことではありません。自己観察力の高い人は他人が本当に必要としているものを見つけることに多くの時間を費やすので、人の役に立つことが多くなります。

では、ありのままの自分を完全にさらけ出す必要がないとしたら、何を追い求めればよいのでしょうか?

Grant教授は文芸評論家のLionel Trilling氏のおかげでその答えを見つけました。それは「真剣さ」です。

「自分が他人にどう見えているかに注意を払い、自分がなりたいと思う人間に見えるように努力しましょう。内面から変わるよりも外側から取り入れるのです」

たとえば、インシード・ビジネス学院で組織行動学の教授を務めるHerminia Ibarra教授の研究を考えてみましょう(Grant氏のエッセーを引用しています)。

Ibarra博士はコンサルタントや投資銀行家を調査した結果、自己観察力の高い人のほうが、自分らしさを求める同僚よりも多様なリーダーシップのスタイルを取り入れる傾向が強いことに気づきました。彼らは組織の中で自分より出世している人間を観察して、その言動を取り入れ、しっかり自分のものにできるまで訓練を重ねました。彼らはありのままの自分でいたわけではありませんが、真剣であり、そういう人のほうが有能になりました。

ハーバード大学教授であり、ベストセラー作家でもあるAmy Cuddy氏も次のように言っています。


“成功したければ、本当に成功するまで既に成功しているかのように振る舞いましょう。実際に成功するまでそれを十分に実行して、その振る舞い方を習得しましょう。”


誤解のないようにお願いしたいのですが、私は「ありのままの自分」を隠すことを勧めているのではありません。その逆で、一番良いのは徐々に自分を出していくことです。もちろんTPOをしっかり考えながらですが。こうすれば、本当の自分を知る助けになりますし、焦って良し悪しを決めつけることもなくなります。

まずは、自分がどのような人間になりたいのかを知ることです。それから、努力してそういう人間になりましょう。

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最終更新:7/14(木) 21:10

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