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捏造が常習化するサッカーメディア。過去にメッシ側から抗議受けるもまた…。許されない読者への冒涜

フットボールチャンネル 7/14(木) 10:30配信

 最新号の『フットボール批評issue12』でワールドサッカー誌のエアインタビュー問題を徹底追及している田崎健太氏。なぜこのような捏造記事が蔓延するのか。問題の背景には何があるのか。核心部を問う。(文:田崎健太)

過去にメッシ側から抗議された2誌。それでもこりずにエアインタビューを…

 エアインタビューを最初に告発したのは、今年3月発売の『フットボール批評 issue10』だった。

 これは昨年8月に出た『欧州サッカー批評 SPECIAL ISSUE 11』に掲載されたFCバルセロナのルイス・エンリケ監督のインタビュー記事は、実際に取材していないのではないかというものだった。

 FCバルセロナの広報担当者からは、このインタビュー記事は〈クラブが関知しないもの〉という回答があり、さらに執筆した“ジャーナリスト”は存在しないことを明らかにした。

 ぼくにとって不本意だったのは、『フットボール批評』(カンゼン)で書いたことで、『サッカー批評』のブランドを取り上げた形となった『双葉社』との“遺恨”に矮小化された面があったことだ。

 当然のことながら、双葉社に対してぼくは含むところはない。『欧州サッカー批評』の記事はエアインタビューの1つの分かりやすい例として取りあげただけだった。

 先日発売した『フットボール批評issue12』では、『ワールドサッカーダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『ワールドサッカーキング』(フロムワン)のリオネル・メッシ、ジネディーヌ・ジダン、そしてハメス・ロドリゲスのエアインタビュー記事を指摘している。

 両誌とも架空インタビューについてメッシ側から抗議された過去がある。にもかかわらず、メッシのエアインタビューを掲載するということは、彼らは悪質な確信犯、そして常習犯であるといえる――。

“ない”ことを確かめるという不毛な作業

 エアインタビューがこれまで発覚しなかったのは、その証明が難しいからである。エアインタビューを告発するのは「悪魔の証明」に似ている。

 悪魔の証明とは、訴訟に関して使われることが多い言い回しで、「~していないこと」あるいは「~が存在しないこと」という“不存在”を立証することを意味する。

 監督や選手の取材にはクラブという公式窓口の他、複数のルートがある。架空取材であることを証明するためには、様々な可能性を潰していかねばならなかった。それは、まるで間抜けな墓堀人になったような気分だった。墓を1つずつ掘り返し、そこに“ない”ことを確かめるという不毛な作業を繰り返さなくてはならなかったのだ。

 そして、もう1つ理由がある――。

 エアインタビューに手を染めているのは、複数の出版社である。サッカーを生業にしているサッカーライターは、そうした出版社とは何らかの形で付き合いがあるものだ。エアインタビューを告発することは、自分の収入源となっている版元との関係を壊すことでもある。だから、多くのライターは、今回の件でも静観しているのだろう。

 しかし、事は重大である。

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最終更新:7/14(木) 10:44

フットボールチャンネル

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