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【神戸】復帰戦は、まさかの逆転負け。リオ五輪代表の岩波を襲った悲劇と収穫とは?

SOCCER DIGEST Web 7/14(木) 7:00配信

岩波個人のパフォーマンスは、負傷明けと考えれば決して悪くなかった。

「5分」のアディショナルタイムが表示された直後のことだった。

 横浜の齋藤がドリブルで神戸左サイドに侵入すると、低くて速いクロスを入れる。その瞬間、相手選手がブラインドとなり、ボールは岩波の足に当たってゴール方向へ転がる、一時はGKのキム・スンギュが掻き出すも、待っていたマルティノスが難なく押し込んだ。
 
 J1第2ステージの3節、横浜対神戸の一戦は、神戸が55分までに2点のリードを得た。しかし、その後、横浜が追い上げ終了間際の劇的なゴールで3-2と逆転勝利を収めた。5月末のトゥーロン国際大会で左膝を負傷して以来、ようやく実戦復帰を果たせた岩波は、3失点目を防げなかった悔しさからか試合後、顔を歪めた。
 
「2-0という状態から逆転されたのでもったいない試合だったなと思いますし、簡単なミスから相手にカウンターを許すシーンが増えてきて、2点目を取ってから早い時間ですぐに1点を返されたので凄くきつくなりました。
 
 良い流れから2点目を取れたので、そのまま試合を進めるべきだったんですが、神戸が苦手とするリードしている状態で1点取られた時にどうやって進めていくかという課題を再確認しました。こういう勝点3の落とし方は凄くもったいないですし、これが上位との差かなと改めて感じました」
 
 CBとして悔いの残る逆転負け――チームの戦い方としても大きな課題が残った。しかし、岩波自身のパフォーマンスは、負傷明けと考えれば決して悪いものではなかった。
 
「個人的には満足というか、自分が思っていたよりプレーできましたし、2-0までは自分のなかでイメージどおりというか、手応えはありました。でも、結果的に負けてしまったので、もっと自分にできることはあったのかなと思います」

球際の競り合いで感じた完全復活への手応え。

 約1か月半ぶりの実戦復帰には、やはり不安があったという。だが、だからこそ自分のプレーを出し切ることに専念した。意識したのは対人プレーで負けないことだったという。
 
「(対人の強さは)復帰と同時に見せなくてはいけないところでした。もう少し相手を遅らせる守り方もできましたが、自分はやっぱり行く姿勢を見せなくてはいけないと試合前から思っていました。ファウルになったシーンもありましたが、ガツガツ行くことによって自分を勢いを乗せたかったし、それは上手くいったかなと感じています」

 序盤から横浜のカイケ、富樫の2トップに激しくぶつかり、自由を奪うと、ボールを回収して素早く味方につなぐ。ネルシーニョ監督が「前半から後半の途中までは復帰した1戦目としては安定していたと思います」と評したように、最終ラインからチームを支えた。
 
 今回、無事に復帰を果たしたが、リオ五輪代表として7月末にブラジルに飛び立つ前に、次戦の湘南戦が最後のゲームとなる。
 
 目指してきた大舞台への想いを訊かれると、「もう1試合あるのでそれをしっかりやってから考えたい」と答える。次節で狙うは自身のさらなるパフォーマンスアップと、無失点での勝利だ。そして思い残すことなくブラジルへ――。一時は負傷でメンバー落ちの不安にも苛まれたCBが、勝負の地で躍動するために着々と準備を進めている。
 
 湘南戦ではチームにどんな置き土産を残してくれるのか。その一挙手一投足には注目したい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:7/14(木) 7:00

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