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【川崎】大久保嘉人「俺はどんどん周りに言うよ。金も稼げるんだから」発言の真意

SOCCER DIGEST Web 7/14(木) 11:30配信

「俺がボールを持った時、みんなポジションに付いているから、相手の陣形が崩れない」

 劇的な勝利の後も、大久保嘉人はいつものように辛辣だった。そして「俺はどんどん周りに言うよ、金も稼げるんだから」の発言が飛び出すのである。
 
 第2ステージ3節、川崎対新潟戦に1トップで先発したストライカーは、まず攻撃陣について言及した。
 
「なんか型にハマっている。俺がボールを持った時、みんなポジションに付いているから、相手の陣形が崩れない」
 
 前節の名古屋戦に負傷した中村憲剛が不在のなか、この日はゴールに専念するのではなく、チャンスメーカーとしての比重を強めた。それは決して本意ではないと大久保は言う。
 
「そうしないと厳しい。最後に点を取ったのも、俺が(後ろに)引いてから始まった。そのスペースに誰かが入ってくれればいいですけど、見た感じでは誰もいないから……」
 
 単なるエゴイスティックなストライカーでないのは、代表戦や他クラブでの試合で証明している。「チームが勝つためならやりますよ」とチャンスメイクに回るなど、フォア・ザ・チームの姿勢も打ち出した。
 
「別にチームが勝つためなら、やりますよ。それは自分の判断。チームが勝つためにはそうしないとね。ずっと前に張っていても、多分、ボールは来ない。だから自分が引いて、ボールを引き出してやっていた」
 
 大久保が手厳しく注文を付けたのは、トップ下に入った大塚翔平のプレーだった。新潟に2点目を決められた直後、大久保は大塚に対して様々な要求をしたという。
 
「俺の近くでいろんなことをしてくれと。アイツは引いて(パスを)受けるだけだから、前に飛び出してDFを引き付ける動きなどがなかった。引いて落として、それで終わり。逆サイドに行って、またそれをやってだから、何も起きない。俺に2、3人が付いているから、その付近でうろちょろしてくれないとパスを出せない」
 

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「日本人は言わないからね、嫌われたくないから」

 大久保は、竹を割ったような性格で、実直な男である。良いものは良い、悪いものは悪い。良くも悪くも、はっきりした物言いだ。それゆえ、この日の大塚にはダメ出しした一方、以前「変なクロス」と指摘した車屋紳太郎のプレーについては、素直に称賛した。
 
「アイツは今日、めちゃくちゃ良かったよ。すごい積極的に行っていたし、サイドのポジショニングも、いつもはあまり前に出ないけど、今日に限っては前に出ていた。今日は本当に素晴らしかった。アイツのクロスで何か起きるんじゃないかなと思った。あれを最低限に、これからどんどん良くなっていくだろうし、すごい期待している」
 
 そして、「金も稼げるんだから」発言につながるのだ。
 
「言わないとね。日本人は言わないからね、嫌われたくないから。みんな気を使ってね。でも全然楽しくないよ、言わないと。俺はどんどん言うよ、(それによって)良くなるならね。金も稼げるんだから」
 
 周りに厳しく言うのは、その選手のためであり、引いてはチームのため。そして、その言動によりプレーの質が上がれば、個人とチームの成績も上向き、最終的に選手の価値(サラリー)として返ってくる。「金も稼げる」の真意はそこにある。
 
 大塚に対しては、これからも厳しい言葉が飛ぶ可能性もある。しかし、大久保が「分かってくれると思う」と語るのは、期待の裏返し。エースの助言は金のように価値があり、文字どおり“金言”でもあるのだ。
 
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
 
 

最終更新:7/20(水) 22:12

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