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いま改めて考える、従業員のモチベーションを向上させる人事戦略【HRカンファレンス2016-春-」開催レポート】

日本の人事部 7/15(金) 7:30配信

経営環境が目まぐるしく変わっている昨今、会社の業績を向上させるために、従業員のモチベーションを高めることが非常に重要なテーマとなってきている。モチベーションを高めるには、どのような人事戦略を考えていけば良いのだろうか。ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの島田由香氏とカゴメの有沢正人氏の両氏が、人事責任者としての現場経験を基に、大阪大学の大竹文雄氏が、行動経済学の立場から議論を展開させた。

モチベーションは上がるもの、国による差はない

最初に、大竹氏から「もともとモチベーションに非常に関心があったという島田さんには、モチベーションを向上させていくノウハウについて聞きたい」と投げかけがあり、ディスカッションが始まった。

島田:モチベーションについての持論は二つあります。一つは「上げるものではなくて、上がるものであること」、二つ目は「上がるための作用は自分にしかできず、ほかの人には上げられないこと」です。ポイントとしては、モチベーションとは内側からわき出てくるものであって、そのときの感覚は本人が何かしら覚えているでしょうから、それが何かを見つけていくことだと思っています。重要なのは「好きなものは何か」「ワクワクするものは何か」です。

大竹:次に、全世界共通の人事制度の構築に尽力された有沢さんには、その難しさと克服法について伺いたいです。

有沢:「国ごとにモチベーションの向上策は違うのですか」という質問を時々受けますが、経験上、違わないと思います。違うとしたら、経営層と従業員のモチベーションの上げ方です。経営層に対しては、現地のローカルをトップにすること。そのためには現地の人材を引き上げる仕組みをきちんと提示してあげることが大事です。従業員に対しては、とにかく、日本から実際に会いに行くこと。「日本本社の人事部はちゃんと我々を見てくれているんだ」と分かってもらうことで大きな効果があります。それから、全世界共通の評価制度を作ることも必要だと考えます。

大竹:モチベーションはわき出てくるものであって、他人が引き出すものではないから、という意味で、島田さんは「好きなもの」「ワクワクするもの」というキーワードを挙げられたのでしょうか。

島田:引き出すものでないと言うと、少し語弊があるかもしれません。本人の中に必ず本気になる種があると私は信じていて、それが仕事の中で感じられるかどうかを人事やマネジャーはきちんと見ていくべきです。その時、モチベーションが下がらないように心掛けるとか、その人がどんなことでスイッチが入って上がるのかを知る、という意味で、他人が引き出すという視点も大事だと思っています。

大竹:島田さんがおっしゃったようなことは、どの国でも同じなのでしょうか。

有沢:基本的には変わらないと思います。モチベーションに影響するものとしては、金銭的なインセンティブがありますが、もう一つ、非金銭的なインセンティブのほうが大事だと考えています。例えば、キャリアパスに対する考え方をより引き出せば、よりモチベーションは上がります。その考え方や仕組みは、日本と海外では同じです。ただし、職階によってモチベーションの上げ方が違うということは、これまでの経験から感じていますね。

大竹:有沢さんが最初に「実際に会いにいくのが大事」とおっしゃったことは、わき出てくるモチベーションと関係があるように思いますが、島田さん、いかがでしょうか。

島田:とても大事だと思います。従業員の表情やたたずまいからも日々の変化が分かりますし、それをどう感じ取れるのかは重要です。また、行動からその人のモチベーションの高低が推し量れます。行動の裏には感情があり、感情の裏にはニーズがあるという、この三層を心に留めておくと行動の捉え方が変わります。例えば、ワーッと反論してきた人がいたなら、その裏にあるのは怒りかもしれないし落胆かもしれません。ですから、会って、行動・感情・ニーズをひも解いていくといいと思っています。

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最終更新:7/15(金) 7:30

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