ここから本文です

BOEの7月MPCにおける政策決定-緩和予告

NRI研究員の時事解説 7/15(金) 9:25配信

はじめに

市場に様々な思惑があった中で、BOEは7月MPCで金融政策の現状維持を決定した。今回はカーニー総裁の記者会見がないが、同時公表される議事要旨に加え、昨日公表された7月FPCの議事要旨という手がかりもある。これらを参照しつつ今回の現状維持の背景を検討するとともに、8月MPCにおける政策決定を展望したい。

金融市場と金融システムの評価

金融市場については、(1)長期的展望に関する不透明性を映じ、ポンドの中長期のimplied volatilityが高止まっている、(2)資産価格の変動は、経済成長率と交易条件の双方の悪化見通しによる、(3)短期金利に上昇圧力もみられたが、長期金利は海外動向も映じて低下圧力がある、といった点が評価のポイントである。

このうちポンドの下落に関しては、インフレ率を目標に向かって改善するだけでなく、歴史的高水準に達した経常赤字にも、輸出のサポートだけでなく、海外利益の評価額増加も含めてメリットが大きいとの見方が示唆されている。もちろん、下落が継続して大幅になれば、インフレ率の高騰をもたらすリスクもあるが、7月MPCの議事要旨は長期インフレ期待の安定に言及しており、second round effectには繋がり難いとの見方が示唆されている。

また、7月MPCの議事要旨は、国内銀行を中心に金融株が顕著に下落していることを認めつつ、金融システムは全体としてresilientと評価しているほか、主な市場の機能にも大きな問題がない点を強調している。さらに、金融システムについては、昨日公表された7月FPCの議事要旨により詳細な議論がある。

つまり、国民投票以前から英国の金融システムが抱えていた問題として、A)海外資金の流入に支えられた商業用不動産価格の高騰、B)高水準の家計負債、C)歴史的な水準に達した経常赤字、の3点を指摘しつつ、前の2点について、対内資本フローの変化に伴う資産価格の調整や英国のfinancial conditionのタイト化、家計負債のpro-cyclicalな調整といったリスクも認めている。

その上で、7月FPCの議事要旨は、英国の銀行セクターが十分な自己資本と流動性を抱えていることに加え、金融危機後に強化されてきた金融監督や関係当局間での連携によって、金融システムはresilientとの評価を下しており、基本的にはこうしたトーンが7月MPCの議事概要にも引き継がれている。

1/3ページ

最終更新:7/15(金) 9:25

NRI研究員の時事解説

なぜ今? 首相主導の働き方改革