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エンゲージメント・ウォッチで、ボーイフレンドにプロポーズした話

ハーパーズ バザー・オンライン 7/15(金) 20:55配信

私にとって、愛にも平等にも境界はない。そんなわけで私は今年の半分をフィアンセへのプロポーズ大作戦に費やしている。さまざまなアイデアが浮かんだものだ。家族が近くにいる南アフリカへの旅行まで待つべき? 彼に忍耐強く5時間もスキーを教えた後にするべき? それとも私たちの関係と冒険への愛をより強くするような、また別なすごい機会まで待つべき? 究極的には最後のアイデアがいいかも、と。
 
私たちは、ただ自然と「戯れ」たいと、慌ただしいロンドンでの生活を離れ、彼の30歳の誕生日を祝いにスウェーデン諸島へのカヤック旅行を一緒に計画。ストックホルムに到着後、方位磁石とキャンプ用具のみを携え、完全に二人きりで大自然の中をサンアンナへ向かって漕ぎ始めた。それから4日間は野生のイチゴを摘んだり、アウトドアクッキングの腕を試したり、本を読んだりして過ごした。 
 
「なんてパーフェクトな場所なの! 今、プロポーズすべき?」という絶え間ないドキドキさえなければ、完全にリラックスした旅だっただろう。私は自分が進歩的で平等な関係を結んでいると思っていたので、「完璧なプロポーズ」を達成しようとする気持ちに自分でも驚いてしまった。それからカップルとしての私たちに思いを馳せ、完璧な場所にいるかどうかなんて関係ないと気づいたのだ。重要なのは、私たちが一緒にいて、人生をシェアしていきたいという気持ち。

婚約に先立ち、私たちは結婚というものについてたくさん話し合った。私は、結婚とそれが体現していると私が思っていたものに対して、かつて激しく反対していたのだ。結婚と婚約は、アンチ・フェミニスト儀式の最たるものだと思っていた。男性からプロポーズしなくてはならない、女性は所有物である、彼はダイヤモンドを用意し、あなたは父親とヴァージンロードを歩かなければならない、などなど。 
 
というわけで、この文脈の中に私自身のフェミニズムへの信念を実際に貫くには時間がかかった。私が拒否したい伝統と、個人的なフェミニズムの解釈で許せることを示すのに心を砕いた。プロポーズを決意し、「結婚してくれる?」的な定番の質問は禁じなかったけど、その質問を自分がすることで、その慣例をひっくり返そうと試みたのだ。 
 
フィアンセに宛てたカードに、私はポエムを綴り、彼のために選んだエンゲージメント・ウォッチの写真を添えた(水の中に落とすのが怖かったから、スウェーデンに実物を持って行きたくなかったので)。私たちの大好きなキャンプ用の朝食(トーストに崩したアボカドをのせたもの)をとりながら、私は彼に「バースデー」カードを手渡した。スウェーデンの小さな島の岸辺で彼がその封を開けたとき、まるで彼が素手で私のハートと魂のすべてをぎゅっとつかんだかのように、信じられないほど弱った感じがした。それから彼は私を見つめて、こう尋ねた。「本当に? イエス!」。私たちは叫び、笑い合い、ハグとキスをして、サンアンナの大自然の中でとっていたコーヒーの続きを楽しんだ。

プロポーズの準備段階として、私は修士号課程の合間のダラダラできる貴重な時間をエンゲージメント・ウォッチ探しに捧げた。数え切れないくらいのレビューに目を通し、ウォッチのレザーストラップやフェイスの色についての「簡単な」質問を送り、結局ちょっと自分勝手だったけれども、私の予算が許す範囲で、いちばん素敵でもっとも「彼っぽい」と思ったものを選んだ(ほとんどの男性は、リングを選ぶときに同じことをすると想像している)。 
 
ロンドンへ戻り、私たちは、そのウォッチを見に行った。予想外だったのはフィアンセが、予算をもう少し上げて、別の時計を一緒に選び、その購入代金を一部負担しようかと提案したことだった。私が選んでいたウォッチの特徴すべてを寄り合わせたものを優先事項に、最終的には二人が気に入ったものを見つけ出した。 
 
周囲の人たちに婚約について告げたとき、さまざまな(ほとんどは有頂天の)反応に出合った。うるう年だから私がプロポーズしたのかと尋ねる人もいたけど、そうではない。私は(そしてほかの女性だって)愛を伝えるのに、ある日付とか「ある種の」年とかを必要としていない。うるう年に関する質問には笑ってしまったけど、それは、私の原理原則というよりは、乳糖アレルギーだから消化器官のためにヴィーガンの食生活をチョイスしている私には慣れ親しんだレトリックのようだと思った。それからリングを見せてと尋ねてくる人たちもいた。結局彼らは、リングはないので、フィアンセの素敵なウォッチを見て大興奮していた。

驚いたかどうかが、ほとんどの人からフィアンセが尋ねられた質問だ。私はサプライズが嫌い。どんでん返しが嫌なために、本の最後のページを途中でチェックするほどの私だから、フィアンセは絶対に私がプロポーズしてくるとわかっていたはず。つきあうようになってから1年半後、フェミニズムに対する私の認識に精通した彼は、もしも私が選択を迫る質問をしたら、彼の答えはいつだってイエスだと私に言ってくれた。私のことを理解していたから、選択肢に結婚があるという保証はないと彼にはわかっていた。 
 
でも彼が確信していたのは、もしも私が結婚というコミットメントを決意したならば、伝統を完全にひっくり返すようなものになるだろうということだった。プロポーズで彼が完全に(驚いたという意味で)不意打ちを食らったとみんなは聞きたかったと思うけど、そんなことは私たちの関係では起こらない。私たちは何でも話し合うし、私たちの信念を進化させ、評価し、理に叶ったものにしようとしている。だからサプライズの要素がほとんどなかったのは、とても私たちらしい――というか、少なくともとても私らしいものだった。  
 
私たちはすでにだいぶ前にお互いに誓い合ったけれど、カップルとして結婚式を執り行うことは、その誓いをより強固なものにし、この人生という旅路に私たちが必要とする、親しい友人たちや家族にお披露目するいい機会だと思った。私はフィアンセに、彼からプロポーズしなかったのは残念だったかと聞いたら、そんな気持ちはまったくなく、これは素晴らしいことだと思うと答えてくれた。

最終更新:7/15(金) 20:55

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