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シチリアの“ワイン列車”に乗って 世界遺産エトナ山のワイナリーへ!

CREA WEB 7/15(金) 12:01配信

火山の恵み、エトナ山のワイン造りを間近で

 シチリア島東岸のランドマーク・雄峰エトナは、現在も活発な噴火活動が続く、地中海エリア最大の活火山。白い煙を青空にたなびかせる山頂火口からは、時折、真っ赤な溶岩を噴き出すことも! 地球のパワーみなぎる世界自然遺産ですが、50万年以上続く火山活動によって得られた肥沃な大地がもたらす美味の宝庫でもあり、特にワインは、注目度の高いシチリアワインのなかでもとりわけ熱い注目を集めています。

 古代ギリシャ時代から伝統的なワイン産地でありながら、斜面を利用した段々畑での栽培の困難さから、大量生産時代には世界の表舞台から姿を消していたエトナ山産のワイン。しかし、1900年代後半から、ミネラル豊富な火山性土壌、昼夜の寒暖差がある冷涼な高地、外界との接触が少ない環境のため害虫フィロキセラに浸されなかった樹木……、そのポテンシャルに可能性を見出した醸造家たちによって復活を遂げ、次々と珠玉のワインが生み出されているのです。

 エトナワインの中心地といえば、山の北側斜面。復活の立役者アンドレア・フランケッティ氏の「パッソピッシャーロ」、超自然派ワインの旗手フランク・コーネリッセン氏の「アジエンダ・アグリコラ・フランク・コーネリッセン」など、スター生産者のワイナリーが標高600~1000メートルの高地にひしめいています。この北側斜面の醸造所めぐりは、ワイン好きなら一度はしてみたいもの……。

 さて、そんなエトナ山界隈に「ワイン列車」なるものが登場し、ひそかな話題を呼んでいます。エトナ周遊鉄道、エトナワイン街道協会、ワイナリー各社の共同でスタートした新企画で、リングアグロッサ、ロヴィテッロ、パッソピシャーロ、ランダッツォなど、マニア垂涎のエリアを通ります。

気分は「世界の車窓から」♪ エトナワイン列車に乗って

 ワイン好きな同志と共に列車に乗り込み、車窓を眺めれば、黒々とした溶岩原とエトナ山。非日常的な風景に、気分はすっかり「世界の車窓から」です。今回は、標高765メートルにあるランダッツォ駅から専用バスで歴史ある家族経営のワイナリー「ファットリア・ロメオ・デル・カステッロ」を訪問しました。

 ブドウ畑には、噴火の爪痕、生々しい溶岩流の跡も残っています。大自然の脅威にさらされながらも土地を守り、テロワールを最大限に生かしたワイン造りを目指す若い女性の生産者の話に耳を傾けながら、自慢の赤ワインを試飲します。

 シチリアワインと言えば濃厚でパワフル、ガツンとくる南国の味!  といったイメージしかもっていない人もきっと多いことでしょう。でも、フランス・ブルゴーニュ地方にもよく似たエトナ山の土壌で造られるワインは、そんなステレオタイプのイメージをいい意味で覆してくれる、衝撃的な体験です。

 土着の黒ブドウ品種ネレッロ・マスカレーゼ種やネレッロ・カプッチョ種が醸し出す、キレイな酸味と奥深さ。エレガントで上質なひとしずくには、復活と進化の物語が凝縮しているかのよう。まさに可能性を感じずにはいられません。

 かつて収穫したブドウを運ぶために造られたという歴史をもつエトナ周遊鉄道の「エトナワイン列車」。運行は7~12月の月4回のみ(10月は5回、12月は1回)。1日往路2本、帰路1本で、各駅からの送迎バスを用意する必要があるため、予約時に訪問希望ワイナリーを申告するなど、参加までには少々手間がかかりますが、ワイン好き、鉄道好き、山好き、パワースポット好き、シチリア好き……な方なら乗ってみる価値大。ぜひチャレンジしてみてくださいませ! 

Il treno dei Vini dell'ETNA(エトナワイン列車)
URL http://www.circumetnea.it/pagina.php? tab=menu_icone&id=2

Azienda Agricola Frank Cornelissen
(農業法人フランク・コーネリッセン)
URL http://www.frankcornelissen.it/default.htm

もっと簡単に体験したい方におススメ! 
エトナ周遊鉄道+ワイナリー見学プラン
URL http://vacanzaitalia.ciao.jp/2016/06/25/etonavinoetreno/

岩田デノーラ砂和子
2001年よりイタリア在住。約10年間のローマ生活を経て、現在は憧れだったシチリアの州都パレルモ在住。イタリア専門コーディネート・通訳チームBuonprogetto主宰。イタリア関連著書多数。近著『おしゃべりのイタリア語』が絶賛発売中。イケメン犬「ボン先輩」と、やらかし系イタリア人の夫「ピンキー」との日々を綴る人気ブログ:ローマの平日シチリア便りもほぼ毎日更新中。

岩田デノーラ砂和子

最終更新:7/15(金) 12:01

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