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製品価格の男女差「ピンク税」は、性差別ではなく経済学

Forbes JAPAN 7/16(土) 8:00配信

納得できない読者もいるかもしれないが、いわゆる「ピンク税」と呼ばれるものは、性差別に基づくものではない。これは、経済の問題なのである。



ピンク税とは、同じような商品でも、女性向けの商品の方が男性向けのものよりも価格が高いという考え方やその価格差のこと。これについて一部の人々は、米企業には悪意に満ちた女嫌いがいるからだと批判してきた。

こうした議論は多くの場合、本質を突いていない。確かに、大企業の中心部に女性嫌いがいる可能性はあるが、それがピンク税につながるという証拠はない。性別による商品の価格差については、経済学の方がずっと分かりやすい説明をしてくれる。

経済原理は同じだが状況が異なる

男性と女性ではものの買い方が異なり、それが小売各社の価格設定法に影響を及ぼしている。よく例えに使われるのはひげ剃りや制汗剤だが、ここでは衣料品の小売業者を例に説明しよう。

男性のみをターゲットにして儲けている衣料品店は、ほとんどないと言っていいだろう。大きな儲けをもたらすのは、女性をターゲットにしたファッションであり、一般に女性は男性よりも多くの選択肢を要求する。一方で多くの男性は、毎年同じ商品を買い続ける。私もそうだし、多くの男性の友人たちもそうだ。

こうした違いは数年前、当時バーバリーのCEOだったアンジェラ・アーレンツと話している時に学んだことだ。好業績を達成する小売業者は、女性顧客向けにより多くの選択肢を提供しているのだ。

このような男女の違いから、衣料品店では男性もの売り場よりも女性もの売り場に、より多くの面積を割いている。つまりは、こういうことだ。

・人通りの多い場所では特に、売り場面積の確保にかなりの費用がかかる
 >女性ものの売り場を広くした分の費用は誰が払うのか。最終的には顧客が払うことになる。企業は運営費を上回る利益をあげる必要があるからだ。

・より多くの女性向け衣料品の在庫を持つ小売業者は、運営資金もより多く必要になる。
 >その運営資金の追加分を支払うのは誰か。最終的には顧客が支払うことになる。

・商品が多ければ、在庫管理もその分大変になる。その仕事をする人を雇わなければならない。
 >そこに余計にかかる費用を支払うのは誰か。最終的に顧客が払うことになる。

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最終更新:7/16(土) 8:00

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