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浅井健一が語る写真の魅力:「デジタルカメラが登場したはじめの頃、何か違和感があった」

ローリングストーン日本版 7/16(土) 15:00配信

ローリングストーン日本版 インタヴューアーカイヴ
2015年12月号掲載:RS CAMERA 浅井健一

浅井健一インタヴュー:「昔から突拍子もなかった、宇宙人と呼ばれてた」

この人の言葉はいつもストレートだ。たぶん嘘を言わない。そういった態度はきっと写真にいちばん表れるのだろう。ロックのど真ん中を生きる奇才、浅井健一が今回、カメラと向き合った時間について語ってくれた。

─写真は普段からよく撮るほうですか?

あんまり。というか普通の人レベル。まあでも、子供の時は親が少しカメラに興味があったりして・・・そんな程度ですね。

─嫌いではない?

カメラが好きな人ってものすごく好きだし、楽しいものなんだろうなって想像はしてたけど。ほかにもやることがたくさんあって忙しいもんだから、それに一生懸命になるっていうところまではいってない。

─今回は、ライカの機種で作品を撮ってもらう企画。ライカってご存知でした?

知ってる。ドイツのカメラメーカーだよね、歴史が古くて、みんな一目置いてるっていうか、だから『あ、ライカ持ってるんだ』ってなるでしょ? ほんで、今回使ってみて、ちょっと驚いた。

─おお。どの点に?

なんだろ、ストロボが要らない。暗くても明るく写る。で、いろいろ撮ってたんだけど、きれいに撮れるなって。

浅井が語る"きれい"という感覚。

─なるほど。きれいって、どういう感覚なんでしょうか。すごく抽象的なだけに、浅井さんのきれいという感覚が気になります。

なんだろね。自然な気がするな。デジタルカメラが登場したはじめの頃って、写ってるものに何か違和感があった。特にデジカメで撮られた自分の顔が大嫌いで。なんでこんな変に写るんだろって思うくらい。だから今回、自然だなって思った。うん、自然ってことかな。

─表現も自然なほうが受け入れやすい?

そりゃ、そうだよね。だって人間が自然なものだから。

─音楽も?

うーん、音楽も人間がリズムを作り出してやってるバンドと、コンピューターのリズムに合わせて作り込んでいる人たちもいろいろいるじゃん? 例えば、爆音かけてみんなで踊ったり騒いだりする時は、デジタルの強力な人工的な音で楽しむっていうのもあるし、そういうのが好きな人もいるし。音楽に安らぎというか癒しを求める時は、人間が作り出したもののほうがいいかな。デジタルな音はもちろん否定はしないよ。

─ケース・バイ・ケースってことでしょうか。最近は4K、8Kテレビも出てきて、人間の眼を超えちゃってるとも言われます。

テレビも鮮明に見えすぎちゃって、人間の顔が必要以上に見えちゃったりするからさ。あれ、可哀想だよね。みんなして不思議な方向に進んでるってことだよね。『スター・ウォーズ』って、俺らがフィルムで観た頃は、ちゃんと宇宙っぽかったんだけど、あれがデジタル処理されたものが友達のバーで流れてて、それを観たら、鮮明すぎるというか、ダースベーダーとか白い兵隊の衣装の細部までがすんごく見えちゃって。興ざめなんだよね。そういうのもあって、ライカは自然だなって思った。

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最終更新:7/16(土) 15:00

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