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米国が原油埋蔵量世界一となったことは吉報か?

JBpress 7/16(土) 6:05配信

 7月11日の週明けの米WTI原油先物市場は1バレル=44.76ドルと約2カ月ぶりの安値となった。原油価格はその後も同45ドル前後で推移している。

 山火事で落ち込んでいたカナダのオイルサンド(油砂)の生産量が回復するとともに、米国の石油掘削リグ稼働数が過去6週のうち5週で増加となり(351基)、シェールオイルの生産減少のペースが鈍化するとの見方が広がったためだ。

 世界経済の減速により「原油需要が供給過剰分を十分に吸収できない」との懸念も高まっている。欧米地域でドライブ需要の最盛期を迎えたにもかかわらず余剰感が強く、英国のEU離脱決定が原油需要の減少につながる可能性が高い(7月9日付日本経済新聞)。

 これらに加えて米ドルが対ユーロで上昇し商品市場への投資の妙味を減じていることから、ヘッジファンドや大手投機筋が原油相場に対する強気の姿勢を後退させている。

 市場関係者の間では「我々は弱気スタンスにシフトした。WTI原油先物価格は約37ドル、ブレント原油先物価格は約38ドルまで下落する可能性がある」との見方が出始めており(7月12日付ロイター)、2015年の“二の舞”が繰り返されるリスクが高まっている(2015年は、3月の1バレル=43ドル台から5月に同60ドル台に回復したが、年末には同30ドル台半ばまで下落した)。

■ ますます高まる中国経済への不安

 市場にとって2016年の悩みはなんといっても需要面である。特に、昨年米国を超え世界最大の原油輸入国となった中国の需要が気がかりだ。

 「備蓄能力の限界により原油の輸入量が今後約15%(日量約116万バレル)減少する可能性がある」ことを前回のコラム(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47287)で紹介したが、中国経済に対する不安がますます高まっている。

 国際通貨基金(IMF)によれば、中国企業の債務総額は対GDP比で145%に達しており、過剰債務問題から金融危機が発生する懸念が高まっている。英国のEU離脱決定後、人民元下落に歯止めがかからなくなっており、中国からの資本流出懸念も再燃し始めている。昨年8月中国発の世界同時株安現象が生じたが、今年の夏にこのような事態が再び起きたとしてもなんら不思議ではない。

 2005年から2014年までの原油価格の上昇を牽引してきた中国経済が一層揺らぐような事態になれば、原油価格が失速するのは「火を見るより明らか」である。

■ ロシア、サウジを抜いた米国の原油埋蔵量

 このように7月の原油市場は不透明感が急速に高まりつつあったが、その矢先の7月6日、ノルウェーの独立系調査会社「Rystad Energy」(以下「リュスタド社」)が世界の原油埋蔵量を明らかにした。その内容は非常に興味深い。

 まず世界全体の原油埋蔵量だが、世界の原油需要の約70年分に相当する2兆920億バレルである。埋蔵量の内訳はシェールオイルなどの非在来型原油が約30%、海底油田に存在する原油が約33%、合わせて3分の2に上る。陸上油田などに存在する従来型原油は約37%に過ぎない。

 非在来型原油の埋蔵量がクローズアップされたことから、米国の原油埋蔵量が2640億バレルとなり、ロシア(第2位、2560億バレル)やサウジアラビア(第3位、2120億ドル)を抜いて世界第1位となったのだ。

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最終更新:7/16(土) 6:05

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