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国がお墨付きを与える「最強の自分年金」がさらに便利になった件について。(野口俊晴 ファイナンシャル・プランナー)

シェアーズカフェ・オンライン 7/17(日) 6:24配信

■退職金の持運びができない人たち
確定拠出年金(DC)法が、5月に改正されました。来年1月より、主婦(第3号被保険者)や公務員も利用できるようになり、個人型DCの利用枠とポータビリティ(年金資産の移換)が拡充されました。DC制度の創設(平成13年)時には、確定給付企業年金(DB)からDCへの年金資産の持運びが可能でしたが、今度の改正でDCからDBへの持運びも可能となります。

DCとは、拠出される掛金が個人ごとに明確に区分され、運用は加入者個人が行う企業年金です。掛金と運用益の合計額をもとに退職給付額(一時金、年金)が決まります。これに対して、あらかじめ退職給付額と算定方法が決められている企業年金をDB(平成14年創設)といいます。

今回の改正では、ポータビリティに注目したいと思います。というのも、DC導入前の日本の退職金制度では退職金の持運びができなかったため、いま定年退職を迎えている層はもちろん、20年、30年先に定年を迎える層にとっても、老後の設計が難しくなる人たちがいるからです。そのため、特に転職者や非正規社員は、個人型DCの加入が重要となるでしょう。

DCが導入されて10年以上たちますが、DC加入者数は約464万人、DB加入者数は約788万人で、まだDBの加入者の方が多い状況です。さらに、DCやDB、厚生年金基金等の企業年金制度のない会社に勤めている人は約1,867万人もいます(平成26年3月 厚生労働省の資料)。この数字は、厚生年金被保険者全体の半数以上が従来型の退職金制度の会社に勤める人で、退職金を持ち運べない人、持ち運ぼうにもその原資が少ない人たちを現しています。

■従来型の退職金制度では転職者は不利になる
日本の退職金制度は、「賃金の後払い」という考えが主流でした。近年では、退職金額を一定利回りで割り戻して、月々の給料に前払いとして上乗せする会社もあります。理論的には、この考えの方が正しいように思われますが、実際には定年退職時にまとめて支払う会社が圧倒的に多数でした。

これは、企業側にも従業員側にも都合の良い慣行だったからです。企業側にとっては、終身雇用制を維持していくのに、30年、40年と会社のために一生懸命に働けば、最後に退職金という「ご褒美」がもらえるということで従業員の帰属意識が強くなる、というメリットがありました。

一方、従業員側としては、行動経済学的にも目先のお金はすぐ使いたがるという人間の心理特性がありますから、老後のお金を誰かが(会社が)ちゃんと取っといて(管理して)くれたほうが安心という思いで、多くの従業員は定年まで我慢して働いてきたのです。

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最終更新:7/17(日) 7:57

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