ここから本文です

実感できないけど、景気は本当に回復中? (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 7/17(日) 6:34配信

アベノミクスが始まって3年以上経ちましたが、庶民は景気回復を実感出来ていません。そんな中で株価が大幅に下落していて、ますます景況感は悪化しています。景気予測の専門家たちは、景気は回復中だと言っていますが、本当に景気は回復中なのでしょうか?

■力強さを欠く景気
景気が回復をはじめて3年も経つと、通常であれば経済は相当の活況を呈していて、消費も設備投資も増え、庶民の生活も改善し、多くの人が好景気を実感できるようになっているはずなのですが、今回はそうなっていません。

雇用は増えていますが、消費は増えていません。消費も輸出も増えないので工場の稼働率が高まらず、したがって設備投資もそれほど増えていません。一時期は深刻化していた建設労働者の不足も、最近では落ち着いているようです。なにより、経済活動を総合的に捉える指標であるGDPが増えていないのです。

一方で、失業率や有効求人倍率や雇用者数などを見ると、雇用情勢は非常に好調ですし、企業収益も円高による一時的な減少はありますが基本的には好調です。円安なのに内需主導で景気が回復している、という不思議なことが起きているわけです。

■水準はともかく方向は上向き
景気を語るとき、専門家は「景気が上を向いているか否か」という方向を問題にします。それは、景気というものは、一度良い方向に動き出すと、そのまま改善を続けて行く力が働くからです。もちろんリーマン・ショックのような外からのショックがあれば別ですが、今回はその話は触れないことにしましょう。

「物が売れると企業は増産のために人を雇います。すると雇われた人は給料をもらって物を買います。」「企業が儲かると設備投資をします。銀行も黒字企業には積極的に融資をします。」「地方公共団体は、景気回復で税収が増えるので歳出を増やします」等々のメカニズムが一斉に働くわけです。

今回は、現時点では消費は増えていませんが、雇用が増えて雇用者所得が増えていますから、時間が経てば消費も増えてくるでしょう。設備投資も、少しずつですが増え始めているようです。

筆者は、省力化投資に期待しています。バブル崩壊後の長期停滞期、日本企業は省力化投資を怠ってきました。失業者が大勢いたので、省力化投資をしなくても安価な労働力が容易に得られたからです。ということは、現在の日本経済には、「少しだけ省力化投資をすれば、大幅に労働力が削減できる余地」が随所にあるはずです。

そうした中、最近は労働力不足が深刻化しつつあります。一方で企業は潤沢な資金を持っていますし、銀行も融資に積極的なので、設備投資には資金面からの制約もありません。そうなれば、一気に省力化投資が本格化する可能性も期待されるところです。

1/2ページ

最終更新:7/17(日) 6:34

シェアーズカフェ・オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。