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【名古屋】残留への鍵は“戦術シモビッチ”!? 鳥栖戦で見せた割り切った攻撃の形とは?

SOCCER DIGEST Web 7/18(月) 6:00配信

これまでの形とは明らかに変化が。

 前節、鹿島に0-3で敗れ、未勝利数はクラブワーストの「11」となった名古屋は、順位も降下圏の16位から抜け出せずにいる。
 
 第2ステージ4節の鳥栖戦でも、主導権を握られ、楢﨑の2度のファインセーブがなければ、0-0のドローにも持ち込めなかっただろう。3連敗中だった第2ステージでようやく手に入れた勝点1だが、その評価を訊かれた小倉監督が「いや勝ちたかったです」と悔しさを表わしたように、チームを漂う停滞感は拭えなかった。
 
 最下位の福岡とは勝点3差、ひとつ下の17位甲府とは勝点1差、残留圏の15位新潟とは勝点で並んでいるが、次節の結果如何では最下位に転落する可能性もある。

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 そんな苦境にいる名古屋が、鳥栖戦で見せた戦い方は199センチの長身FWシモビッチにシンプルにロングボールを放り込む、“戦術シモビッチ”と言える形だった。
 
「なんでもかんでもということではなかった」(小倉監督)、「(攻撃の形は)それだけではない」(シモビッチ)とふたりは同じような前置きをしたが、立ち上がりから明らかにこの長身FWを狙った長いパスが多く、彼の高さを打開策にしようとする意識が見て取れた。

 ただ、残念だったのはシモビッチに当てたセカンドボールを上手く拾えず、裏へ抜け出せる選手も少なかった点だ。
 
 それでも先発でトップ下に入ったハ・デソンが24分に負傷し、交代で和泉が入ると状況は好転した。
 
「ロビン(シモビッチ)がいるのでそこに高いボールを合わせて(左サイドの)永井さんの裏だったり、自分が中でこぼれを拾ったりというのは考えていました」
 
 そう語る今季明治大から入団したアタッカーは積極的にシモビッチの周りを動き、「攻撃の起点としてボールをキープしたり、ロビンの競った裏を狙ってほしい」との小倉監督の指示を忠実にこなした。

シモビッチのフォロー体制をどれだけ整えられるか。それが残留への鍵だ。

 和泉は次のように攻撃の狙いを語る。
 
「試合前から決まり事として、左はミチくん(安田)を中心につなぎながら縦パスなどを意識して、右はクロスだったりロビンに合わせてそこの背後だったり、そういう部分で攻めようという共通意識がありました。ロビンが競り勝って動き出しが合えばチャンスになるので狙っていきました」
 
 また、新加入ながら前節に引き続きCBでフル出場を果たした酒井も話す。
 
「(シモビッチは)あれだけ勝つから、そこで点を取れれば、一番ノーリスクで、一番簡単というか。あれがチームの狙いのひとつであることは確か」
 
 ただ、もう一方で酒井はこうも言う。
 
「それ(シモビッチ)に頼り過ぎてしまった部分もあった。(和泉)竜司とか(松田)力がその周りで空いていたと思うし、もうちょっと活かせたらなと」
 
 シモビッチを狙いつつ、マークが集中すれば、周囲を上手く使う。本来は状況に合わせた臨機応変な“なんでもできる”サッカーを目指してきたが、理想ばかりを追っていられる状況は過ぎているだけに、どれだけシモビッチのフォロー体制を整え、そこから派生する攻撃を整えることができるかが大切だ。
 
“戦術シモビッチ”という言葉もチームの最も強力な武器を活かすという意味で、決して悪いものではない。クラブ史上最大のピンチを迎えているチームにおいて、この日のように割り切った戦い方を貫くことが残留への道へとつながるはずだ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:7/18(月) 6:30

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