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節税効果絶大! 知らなきゃ損する確定拠出年金の始め方

HARBOR BUSINESS Online 7/18(月) 9:10配信

マイナス金利でも手堅く資産運用を図りたい。そんな人こそ始めるべき、有利な制度がある。節税効果で実質年利15%以上を叩き出す、最強の老後資産構築術を伝授する!

⇒【資料】長期分散投資の例

◆節税に効果あり!知らなきゃ損する確定拠出年金の有利な始め方

 老後に受け取る公的年金の額は減額されるばかりで、定年後の生活に不安を感じる人も多いだろう。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏はこう警告する。

「年金制度は破綻することはないでしょうが、生活に必要最低限の額を受け取るのが関の山でしょう。教育費や住宅ローンの返済に追われている人ほど、なるべく早く『自分年金』づくりをスタートしないと間に合いません」

 そこで山崎氏が勧める“最強”の資産形成術が個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)だ。

「老後のために自分で投資信託などにお金を積み立てていく制度なのですが、他の金融商品にはない『特典』があります。積み立てた金額の最低15%が実質的に『キャッシュバック』されるのです」

 そのカラクリは節税効果。個人型DCで積み立てたお金は所得控除の対象で、税金の計算のもととなる課税所得から差し引かれ、払った税金が返ってくるのだという。

「例えば、課税所得が500万円の人が毎月2万3000円(年27万6000円)を積み立てると、所得税と住民税合わせて年8万2800円も軽減されます。所得税は年末調整か確定申告で還付され、翌年の給与から天引きされる住民税も減る仕組みです」(山崎氏)

 住民税率は一律10%なので、積み立てたお金のうち、所得税率が最低の5%の人でも合わせて15%、10%の人なら20%が返ってくる計算だ。自分の将来のために積み立てるだけで節税ができるのである。

 しかも、個人型DCは現役世代が高齢者を支える公的年金とは異なり、自分が積み立てたお金はすべて自分の財産。加入者が死亡すれば遺族に支払われるので、「払い損」の心配もないのだ。

 この制度、現在は自営業者など公的年金が手薄な層だけが利用できる「お宝」だったのだが、対象を拡大する改正法が成立し、’17年からはほぼすべての現役世代が使えるようになる。

◆圧倒的な低コストで長期運用が可能

 個人型DCのメリットはまだある。通常の投資では約20%課税される運用益・売却益が非課税になるのだ。個人型DCに詳しい経済コラムニストの大江英樹氏は、その効果をこう試算する。

「仮に前述の例で30年間、年3%で複利運用を続けた場合、通常の積み立て投資なら1209万円貯められるのに対し、非課税で運用できれば1339万円。その差は130万円にもなります」

 さらに、個人型DCは一般の口座より安いコストで運用できるという。投信には保有しているだけで信託報酬という手数料が自動的に差し引かれるが、個人型DCの口座で購入できる投信はそれが安い傾向があるのだ。

「TOPIX(東証株価指数)に連動するインデックス投信の場合、銀行や証券会社で買える商品の信託報酬は0.65%程度が一般的ですが、個人型DCでは0.2%程度からあります」(大江氏)

 これが30年間積み重なると、支払うコストの差は30年間で57万8000円に達する。

◆同じ非課税投資でもNISAよりお得

 ちなみに、非課税で投資できる制度としては、NISA(少額投資非課税制度)が知られているが、山崎氏は「圧倒的に個人型DCが有利」という。

「NISAは投資期間が5年と限られているうえ、利益確定すればその枠は二度と使えない。個人型DCなら60歳まで何度でも売買したり、商品を乗り換えることができます。非課税で運用益を積み立てて、複利効果を大きくすることも可能です」

 個人型DCを始めるには、自分で金融機関を選んで手続きする必要がある。証券各社や都銀、地銀などが対応している。

「金融機関を選ぶポイントは、商品ラインナップと手数料です。投資できる金融商品の品揃えや、口座を維持する手数料は金融機関によって異なります。また、同じ指数に連動する投信でも信託報酬に差がある場合もあるので、厳しく比較しましょう」(大江氏)

 口座開設は、金融機関のコールセンターやホームページから資料請求して必要書類を返送すればOKだ。加入時に勤務先への手続きも必要な場合もあるが、加入後に転職しても企業年金がない会社同士の転職なら、原則として新たな手続きは必要なく、そのまま積み立てを続けられる。転職先に企業型確定拠出年金がある場合はいったん資産を売却して移動させられる場合もあるが、そのまま個人型DCを続けられるケースもある。

 ただし、資産は60歳まで引き出せないうえ、途中でやめたくなっても原則として脱退はできない。掛け金を減らすことはできるので、下限である5000円に変更するのがいいだろう。月々の掛け金の上限は、企業年金のない会社員と専業主婦は2万3000円、勤務先の企業年金が企業型DCのみの会社員は2万円、企業年金のある会社の会社員と公務員は1万2000円、自営業者は6万8000円。今回の法改正で加入対象が広がるのは’17年1月からの見込みだ。

◆世界分散投資で手堅く積み立てよう

 個人型DCでは投資先を自分で選ぶことになる。金額や割合を指定して複数の商品を選ぶことも可能だ。日本や先進国、新興国の株式や債券のほか、REITを対象にした投信などから選べる。

「日本と世界の株と債券に均等に投資してもいいし、非課税の恩恵を最大限に受けるなら全額株式で運用しても。面倒なら1本で分散投資できるバランスファンドもおすすめです」(大江氏)

 これほど有利な金融商品の知名度が低いのは、利幅が薄いため金融機関が宣伝しないからだ。裏を返せば、そのぶん投資家が儲かる仕組みといえる。積み立てとはいえ売買は自由にできるので、うまく回せば資産倍増やそれ以上も夢ではない。年利15%を確保しながらリッチな老後を目指すお得な制度、使わないと損するぞ!

◆確定拠出年金の始め方

1:加入できるか勤務先に確認

企業型の確定拠出年金に加入している場合は、個人型に加入できないことがあるので、念のため、確認しておこう

2:金融機関を選択

個人型確定拠出年金の口座を開ける金融機関は197社。証券会社や都市銀行、地方銀行、信用金庫などがある

3:勤務先に加入を申し出る

個人型ではあるが、勤務する会社に事業所登録をしてもらう必要があるので、担当部署に申し出よう

4:金融機関に申込書類を返送

金融機関を決めたら資料請求し、必要事項を記入して返送する。基礎年金番号などの情報が必要になる

5:積み立てる金融商品を選択

普段から投資する人は、それも含めた分散割合を考えよう。元本保証の定期預金も選択可能。多くはネット上で金額や割合を指定できる

金融機関の手数料比較には「個人型確定拠出年金ナビ」(http://www.dcnenkin.jp/)が便利

◆個人型DC「3つのメリット」

【Point1】税金はこんなに戻る!

会社員が限度額いっぱい(月2万3000円、年27万6000円)積み立てた場合

課税所得→軽減税額

190万→4万1400円

300万→5万5200円

500万→8万2800円

【Point2】運用益は非課税

毎月2万3000円を30年間、平均年利3%で運用した場合

課税の場合の元利合計額:1209万円

非課税の場合の元利合計額:1339万円

差額:130万円

【Point3】信託報酬支払額の違い

毎月2万3000円を30年間積み立てた場合

信託報酬0.2%の場合の支払手数料合計額:25万6000円

信託報酬0.65%の場合の支払手数料合計額:83万4000円

差額:57万8000円

【山崎俊輔氏】

ファイナンシャルプランナー。フィナンシャル・ウィズダム代表。投資教育家、企業年金コンサルタント。月20本以上のマネーコラムを連載する人気FP。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』など

【大江英樹氏】

経済コラムニスト。オフィスリベルタス代表。大手証券会社で個人資産運用と確定拠出年金のコンサルティングを担当し、独立。著書に『初めての確定拠出年金投資』などがある

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/18(月) 9:10

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