ここから本文です

【MLB】前田健太の後半戦に不安。日本人投手の1年目は失速の傾向あり

ベースボールチャンネル 7/19(火) 6:50配信

際立つ野茂英雄の1年目

 ドジャースの前田健太が、後半戦のスタートで躓いた。7月17日のダイヤモンドバックス戦に登板した前田は、初回に3点、3回と5回に1点ずつを失い、5イニングを投げ終えられずにマウンドを降りた。前半戦の18登板は、5イニング未満の降板こそ2度あったものの、すべて4失点以内だった。試合はドジャースが5対6で敗れ、前田は7敗目を喫した。

 それでも、シーズン全体では108.0イニングを投げ、8勝7敗、防御率3.25。ここまでの前田の成績は、日本人投手のデビューイヤーのなかでも、かなり上位にランクインするペースだ。

 日本人投手のデビューイヤー最多イニングと最多勝は、それぞれ、松坂大輔(レッドソックス)とダルビッシュ有(レンジャーズ)が記録している。松坂は2007年に204.2イニングを投げた。ダルビッシュは2012年に16勝を挙げ、松坂の15勝を上回った。

 前田の場合、200イニングは無理にしても、2014年の田中将大(ヤンキース)のような長期離脱さえなければ、デビューイヤーに規定投球回をクリアした6人目の日本人投手になるだろう。

 勝ち星に関しては、打線の援護やリリーバーの出来など、自らコントロールできない要素が大きいため、その投手自身を評価するには適していないが、前田はすでに2ケタ勝利まで2勝としている。自身の投球と他の要素がうまく噛み合えば、松坂とダルビッシュに続く、デビューイヤーの15勝以上もあり得る。

 防御率のベストは、1995年に野茂英雄(ドジャース)が記録した2.54だ(防御率も自分以外の要素は絡むものの、勝ち星と比べればその割合は低い)。この数値はハードルが高く、野茂自身のキャリアベストであるのみならず、日本人投手のシーズン防御率のなかでも最も優れている(規定投球回以上の延べ30人中)。

後半戦はどの投手も軒並み防御率が悪化

 デビューイヤーに規定投球回をクリアした5人のなかには、2点台どころか3点台前半の防御率ですら、野茂の他にはいない。2008年の黒田博樹(ドジャース)でも3.73で、野茂とは1点以上の開きがあった。前田は黒田を凌ぐだけでなく、野茂に続き、デビューイヤーに防御率3.50未満を記録した2人目の日本人投手となる可能性を持つ。2012年の岩隈久志(マリナーズ)は防御率3.16、2014年の田中は防御率2.77ながら、どちらも規定投球回には遠く及ばなかった。

 また、前田は奪三振率9.33と与四球率2.67を記録していて、K/BB3.50は野茂の3.03を上回っている。こちらも、デビューイヤーに3.00以上の日本人投手は野茂だけだ。

 ただ、デビューイヤーに規定投球回をクリアした日本人投手は、いずれも後半戦に防御率を悪化させた。野茂も例外ではなく、前半戦の1.99に対して後半戦は3.03。先発登板したオールスターゲームを挟み、1以上も跳ね上がった。5人のうち、前半戦と後半戦の差が最も小さいダルビッシュでも、0.67上昇した。

 サンプル数として5人は多くなく、むしろ少ないと言ったほうが正しいが、全員が同じ傾向を示している点は、偶然では片づけにくい。例えば、メジャー2年目に規定投球回以上を投げた日本人投手6人はバラつきがあり、2人は前半戦よりも後半戦の防御率が悪かったが、4人はその逆だった。

 デビューイヤーの5人が揃って後半戦に失速していることについては、あくまで推測の域を出ないものの、疲労の蓄積が考えられる。そこには、フィジカル面だけでなくメンタル面も含まれる。日本で実績があるとはいえ、メジャーで投げるのは初めて。適応しなければならないことがフィールド内外に存在し、それらが、日本時代やメジャー2年目以降よりも疲労をもたらしたというわけだ。

 同じように、前田も後半戦に防御率を悪化させてもおかしくない。もちろん、前例を覆すかもしれず、そう願っているが、前田の今シーズンが歴代の日本人投手のなかでも素晴らしいデビューイヤーになるかどうかは今後次第だ。シーズンは折り返したばかり。まだ2カ月以上が残っている。


宇根夏樹

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/19(火) 6:50

ベースボールチャンネル

なぜ今? 首相主導の働き方改革