ここから本文です

「介護施設を増やします」というよくある選挙公約について、真剣に考えてみた。(藤尾智之 税理士・介護福祉経営士)

シェアーズカフェ・オンライン 7/19(火) 5:38配信

参議院選挙が終わり、東京都知事選挙がスタートいたしました。そこで、よくある介護系の選挙公約について真剣に考えてみました。

■よくある介護系の選挙公約
国会、地方議会を問わず介護・福祉の選挙公約は、人々の心に訴えかけやすいのでしょうか。「介護施設を増やします」、「特別養護老人ホームの待機者をなくします」など、耳で聞いている限りでは、心地よいのですが、本当に?と首を傾げてしまう方は少なくないはずです。

■選挙公約「介護施設を増やします」について
介護保険制度が誕生した平成12年4月以降、介護市場は、民間に開かれたマーケットになっています。マーケットである以上、需要と供給の関係が成立します。端的に言えば、採算が取れるようであれば、勝手に民間企業が進出するでしょうし、採算が取れないようであれば、その地域の介護事業所は撤退していくことになります。ですので、「増やします」と言っても増えませんし、逆に増やしませんといっても勝手に増えます。「介護施設を増やします」という選挙公約はリップサービスと思わざるを得ません。

ところで、「介護施設を増やす」の介護施設の種類は、特別養護老人ホームのことを指すと考えられます。「デイサービスや訪問介護を増やします」よりかは、生活面の全ての面倒を見てくれる「特別養護老人ホームを増やします」の方が、一瞬でも私たちの心の中に安堵感を生じさせてくれるからです。

その特別養護老人ホームは、実は多くの補助金が投入されて建設されています。そのため、近年の国の懐事情を鑑みれば、そう簡単に選挙公約で増やすと言っても増やせるものではないことがわかります。

以上から、選挙公約「介護施設を増やします」というのは、有権者にとってはあまりにも無責任で期待できない公約なのではないでしょうか。

■選挙公約「特別養護老人ホームの待機者をなくします」について
特別養護老人ホームの待機者をなくすためには、特別養護老人ホームをたくさん作れば済むことですが、現実は先ほど申し上げた通り、財政の問題からそんなことはできません。そこで、この選挙公約は、特別養護老人ホームに申し込まなくても良い環境作りのこと、すなわち在宅生活を支援してくれる介護事業所を増やしたり、介護サービスの質の向上のことを言っているのだと深読みしました。

本気で特別養護老人ホームを増やすと考える立候補者はさすがにいないだろうという結論です。

1/3ページ

最終更新:7/19(火) 5:38

シェアーズカフェ・オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

Yahoo!ニュースからのお知らせ