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「“この男がいる”という圧倒的な存在感」 元日本代表GKも感服する38歳ブッフォンの円熟の技とは

Football ZONE web 7/19(火) 16:19配信

GKの活躍が光ったEUROでも、ブッフォンは別格と語る土肥氏

 フランスで開催された欧州選手権(EURO)を制したポルトガル代表は、圧倒的な得点力を誇るレアル・マドリードFWクリスティアーノ・ロナウドを擁しながら、90分間での勝利はわずかに一度。勝負強さと堅守を武器に、メジャートーナメントで初の頂点にたどり着いた。その粘り強い戦いは今回のEUROを象徴するものとなったが、改めて全体の戦いぶりを振り返ると、各国代表GKの圧倒的な実力がクローズアップされる大会となった。

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 元日本代表GKとしてジーコジャパンに名を連ね、Jリーグでもベストイレブンに輝いた経験のある土肥洋一氏(現・東京ヴェルディGKコーチ)は、そのなかでも下馬評の高くなかったイタリア代表をけん引し、前回大会覇者スペイン代表を下しての8強進出を果たしたユベントスGKジャンルイジ・ブッフォンの凄みについて語った。

「ブッフォンは圧巻でしたね。パフォーマンスの部分で言ったら、全盛期に比べるとさすがに落ちている。プレーするエリアが少し狭くなっている。飛び出すか、どうかという判断の部分で、以前なら前に出ていたであろう浮いたボールに対して、少しステイするシーンもあった。でも、そうやって自分の状態を客観的に判断してプレースタイルを変えていける。そこがブッフォンの凄いところです」

 “史上最強守護神”と呼ばれる38歳のブッフォンの円熟味について、土肥氏はこのように語った。16歳で当時セリエA強豪のパルマでデビューした守護神は、経験を重ね、プレースタイルを徐々に変えていったという。年齢による身体能力の衰えとともにプレーエリアは狭くなったものの、それでも卓越した読みと冷静さでゴールを割らせない。

「シュートに対する反応は落ちていない」

 一方で、年齢を重ねても変わらない部分もあるという。それはシュートに対するリアクションだ。

「シュートに対する反応の部分は落ちていないから、厳しいコースのシュートも止めている。自分のことを良く分かっているから行けるところだけ行く。16強のスペイン戦は特にそうだった。例えば後半アディショナルタイムのシーン。もし、あのセーブがCKになっていたらまだスペインのチャンスになっていたけど、安易にCKにしない。そして、逆にイタリアのカウンターのチャンスにしてゴールを奪ってしまう。何気ない部分だけど、ブッフォンがいるからこそ、相手のプレー選択も変わる。ブッフォンじゃないGKだったら、もしかしたら失点しているかもしれない。敵味方関係なく、“この男がいる”という圧倒的な存在感がある」

 準々決勝でドイツとのPK戦で敗れて涙したが、ブッフォン健在を印象づける大会となったのは間違いない。

 一方、スペイン代表GKダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)は、プレミアリーグ最高の名手という評判通りの実力を見せた。デ・ヘアのセービングが、ブッフォンのいぶし銀ぶりを際立たせるという。

「デ・ヘアは今大会で派手なセーブを連発していた。『デ・ヘアは凄い』ってなるけど、ブッフォンにはピッチにいることで影響を及ぼせる存在感の違いがあった。慌てない。ドイツ戦だったら、味方の足に当たって変なバウンドになったとしても、しっかりとキャッチする。他のGKだったら、キャッチできなくて、CKになっていたかもしれない。そういう細かいシーンでマイボールにできることは大きい。GKとしての技術は落ちない。プレーゾーンが狭まった部分を経験値で補っている」

 2018年ロシア・ワールドカップでは40歳となるブッフォン。この大会が、イタリア代表としての最後の国際舞台となるのだろうか。フランスで史上最強GKと呼ぶに相応しい実力を見せつけた。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

最終更新:7/19(火) 16:19

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