ここから本文です

土俵はできた~今こそ真正面から客観的な憲法論議を

JBpress 7/19(火) 6:10配信

 改憲派が衆参で3分の2以上を確保したことに対して、中国や韓国が投票日翌日の11日、一斉に懸念を表明するという予想通りの反応を見せている。

 中国外務省の報道官は、「日本が歴史の教訓を汲み取り、アジアと国際社会の安全への懸念を重視することを希望する」と語り、中国国営新華社通信は「平和憲法を初めて改訂するための障害を一掃した。戦後70年守られてきた平和憲法がたちまちのうちに無になる可能性がある」という論評を行っている。

 韓国でも朝鮮日報が「戦争できる日本、改憲ライン確保」と報じ、東亜日報は社説で、「改憲は国内問題だとはいえ、帝国主義日本のアジア侵略の歴史と絡み、韓国と中国から警戒を呼ぶ素地がある。無理に改憲をすれば、北東アジアに深刻な葛藤を招くということを、安倍政権は胆に銘じるべきだ」としている。

 中国外務省は、「アジアと国際社会の安全への懸念」と言うのだが、中国と韓国以外にアジアのどの国が「安全への懸念」を表明しているのだろうか。それどころか安全保障法制が成立した際には、中国と韓国を除くアジアのすべての国々が歓迎を表明していたものである。

 ましてや新華社通信の論評などは、“語るに落ちる”の典型である。中国はこれまでさんざん日本軍国主義などと非難してきた。ところが、日本は平和憲法を持っていると言うのである。だとすれば、これまでの一方的な非難はなんだったのか。

 そもそも、序文に「マルクス・レーニン主義や毛沢東思想」など、特定のイデオロギーと歴代共産党指導者の理論を国民に強制するような文言が入っているような憲法しか持たない中国に、他国の憲法を論じる資格はない。

 また東亜日報は、「無理に改憲をすれば、北東アジアに深刻な葛藤を招くということを、安倍政権は胆に銘じるべきだ」と指摘するが、「無理な改憲」とは何か。最終的に憲法を改正するか否かは日本国民が国民投票によって決することである。「無理な改憲」などあり得ないのである。

■ どの政党も改憲論議を拒否すべきではない

 民進党の岡田代表は「安倍政権下では憲法改正論議はやらない」と述べていたが、方針を転換したようだ。7月14日の定例記者会見で、「憲法改正、あるいは議論そのものを一切しないと言っているわけではない。球は首相にある」と語ったと報じられている。

 「日本国憲法の改正手続に関する法律」(国民投票法)が2007年5月18日に公布されたのに伴い、国会法が改正され、衆参両院に憲法審査会が設置されることになった。憲法を改正する際は、改正案をこの審査会で審議することになる。

 ただし改正案を提出するのは、衆議院では100人以上、参議院では50人以上の賛同者がなければならない。その上で改正案がまとまれば、衆参両院の本会議で3分の2以上の賛成によって、国会として憲法改正案が発議されることになる。

 憲法96条には、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と定められている。しかし、国民投票法が制定されるまでは、この具体的な手続き法規がないため、憲法改正は現実的な課題とはなってこなかった。

 護憲派の人々は、この96条も含めて護憲の立場のはずである。もし96条は例外であると主張するのであれば、改正はできないように、改正しなければならない。そうでなければ首尾一貫した態度とは言えない。

1/3ページ

最終更新:7/19(火) 6:10

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。