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吉原毅・城南信用金庫相談役「都知事選でも原発を大きな争点に!」

HARBOR BUSINESS Online 7/19(火) 9:10配信

 小泉純一郎・元首相が、「原発即時ゼロ」を訴えて全国行脚で講演を行っている。毎回、数百人から千人規模の会場が満員になり、ますます熱気を帯びているという。この一連の講演をプロデュースしたのが城南信用金庫の元理事長(現相談役)、吉原毅氏だ。小泉氏が講演会などで語った言葉を再構成し、1冊にまとめた『黙って寝てはいられない』も7月10に刊行されている。

◆参院選・都知事選で、野党側も意図的に原発を争点から外している

 先日行われた参院選では、原発はほとんど争点にならなかった。このことについて吉原氏はこう語る。

「福島第一原発事故が起きてから5年が経過し、国民の間に関心が薄らいでいるといわれますが、高濃度の放射能汚染は何千年たっても解決される見通しがありません。電力会社と政府、財界が進めてきた原発政策が破綻しているにもかかわらず、目先の利権のために再稼動が行われようとしている。こうした社会的不正義を是正するのは、やはり政治の力です。

 参院選では原発とエネルギーを争点とした選挙が行われるべきでした。しかし、与党のみならず野党にも原発推進勢力が根強く存在し、意図的に争点から外しています。これが『野党共闘』に国民が信頼を置かない大きな原因となっている。

 都知事選も同じです。福島や新潟の原発の電力を使うのは東京都民で、大きな争点にならなければなりません。

 原発をやめるということは、ウォールストリートを頂点とする国際的な利権社会に戦いを挑み、現代人の病理である『経済至上主義』つまり『拝金主義』に反省を加えることでもあります。

 世論調査を見ると国民の過半数は脱原発です。この動きは決して止まらない。これを避けてこっそり原発再稼動を進めようとする欺瞞的な政治家は国民から見放され、大きな反省を強いられることになるでしょう」

◆「原発ゼロ」を訴え、小泉元首相と全国行脚

 吉原氏が「原発即時ゼロ」で小泉元首相と行動をともにするようになったのは、2012年4月のこと。

「城南信用金庫の『友の会』設立総会で講演をしていただいたことがきっかけでした。その翌年(2013年1月)、慶応義塾大学時代のゼミの先生で親しくさせていただいた加藤寛名誉教授が、『日本再生最終勧告 原発即時ゼロで未来を拓く』というご著書をまとめられた直後に亡くなられました。加藤先生に城南総合研究所の初代名誉所長を引き受けていただいたこともあって、本社でお骨を一時的に預かってお葬式をしました。その時、小泉さんが突然来られて御線香をあげられたのです。

 そんな縁から、城南総合研究所の二代目名誉所長を小泉さんにお願いし、快諾していただきました」(吉原氏)

 それ以降、加藤氏が最後に訴えた『原発即時ゼロ』を目指して、吉原氏は小泉氏と行動をともにしている。

「川内原発再稼働が迫っていた2015年6月に小泉さんが鹿児島で講演をした時も、柏崎刈羽原発の再稼働を認めない泉田裕彦・新潟県知事に会った時も、大間原発の凍結を訴える工藤寿樹・函館市長を激励した時も一緒でした。

 川内原発再稼働が迫っていた鹿児島での講演では、小泉さんは『日本の原発テロ対策は不十分』と指摘していました。ベルギーのテロで原発が標的の一つになっていたことを予見するかのような警告を発していたのです。改めて『先見の明がある』と感じました」(同)

◆亀井静香議員も「原発再稼動反対」!?

 吉原氏によると、原発ゼロの主張を持つ大物保守政治家は小泉氏だけではない。

「警察官僚出身の亀井静香・衆院議員(元金融・郵政改革担当大臣)も原発テロのリスクを指摘しながら、『原発は絶対に再稼働すべきではない』『イスラム国は日本をテロの対象に加えてくる。安倍首相が挑発するのはとんでもない』とはっきり言っています。そして『原発事故が万が一起きた場合、福島原発事故の対応を見ても分かるように、警察官や自衛隊員や消防署員の方々が命がけで収拾に当たらないといけない。電力会社の金儲けのために、自衛隊員や警察官や消防署員の命が失われることがあってはならない』と訴えていました。元警察官僚として、国民の安全を守るためには『原発ゼロ』が当然だと言うのです」(同)

「『原発ゼロ』は、日本国を思う人たちの結論なのです。いまの日本の原発は経済的に成り立たず、安全対策も不十分。このまま原発を推進しようという人たちは“国賊”とさえ私は思います」(同)

<取材・文/HBO編集部>

【吉原毅】

1955年生まれ。城南信用金庫相談役。同信用金庫理事長時代の2011年4月、「原発に頼らない安心できる社会へ」を発表。2012年11月に城南総合研究所を創立。同研究所の2代目名誉所長に小泉純一郎氏を迎え、ともに全国で講演活動を行っている。著書に『原発ゼロで日本は再生する』(角川oneテーマ21)、『信用金庫の力-人をつなぐ、地域を守る』(岩波ブックレット)など。小泉元首相の「原発即時ゼロ」に関する発言を再構成した編書『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談・扶桑社)を7月10日に上梓。

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/19(火) 12:17

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