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「早起きは三文の得」はもはや時代遅れであることが判明

HARBOR BUSINESS Online 7/19(火) 16:20配信

 ビジネス書における定番のテーマといえば「早起き」です。

 数年前にも「早起き本」のブームが起こり、「朝4時起きで、すべてがうまく回りだす!」といった本が売れたかと思えば、続いて「朝2時起きで、なんでもできる!」なんてタイトルまで登場。思わず「それってまだ夜じゃない?」とつぶやいたものでした。

 ライフハック系のサイトでも「早起きで人生が変わった!」のような記事は人気で、朝型の暮らしにあこがれる人は少なくないのでしょう。

 が、実際のところ、「早起き」のメリットは科学的にまったく証明されていません。

 たとえば、1998年にサウサンプトン大学が行った調査(1)をみてみましょう。

◆夜更かしのほうが年収が高かった!

 サウサンプトン大学の研究者は1229名の男女に定期的なアンケートを行い、睡眠のパターンや収入の変化を記録。23年にわたって調査を続けました。

 その結果は、

・早起きよりも夜ふかしのほうが年収が高かった

・早起きのほうが健康にいいという証拠はなかった

 というものでした。なんと、朝型には何のメリットもないどころか、夜型のほうが稼ぎがいい傾向があったのです。

 こういった違いが出る理由は、まだハッキリしていません。しかし、これまでの研究によれば、夜ふかしな人には以下の特徴があるようです。

・夜型は頭がいい:420名の男女に行った調査では、夜型の人ほど計算力と文章の理解力が高く、脳の処理スピードも上でした(2)。

・夜型は創造性が高い:428名を対象にした2011年の実験では、夜型のほうが創造性テストの得点が良く、オリジナリティの高い解答を思いつくケースが多かったそうです(3)。

・夜型は女性にモテる:2012年に284名の男性を調べた論文では、夜ふかしな人ほど彼女が多い傾向がありました(4)。

 夜型は頭が良くて年収が高いうえに、女性にもモテモテのようです。これだけ見ると、夜ふかしをしたほうが人生が変わりそうな気もしますね。

 もっとも、早起きにもメリットはあります。具体的な例を紹介しましょう。

◆朝型にもメリットはある

 早起きのメリットとは何なのか? 幾つか挙げている研究があります。

・朝型は性格がいい:2011年に364名を対象に行われた調査では、朝型は他人との協調性があり、夜型よりも感じのよい人が多かったそうです(5)。

・朝型は几帳面:2008年に行われたテストによれば、夜型よりも朝型のほうが几帳面で、スケジュールどおりに仕事をこなす傾向がありました(6)。

 つまり、朝型は他人から好かれやすく、社会人としての適性は夜型よりも高いわけです。どちらがいいか悩むところですねぇ。

 この結果について、ラフバラー大学のジム・ホーン教授は、以下のようにコメントしています(7)。

『夜型の人たちは、より外向的で創造性が高い。その結果、アーティストや詩人、発明家といった職業につくケースが増える。いっぽうで朝型は、公務員や会計士などに多い』

 どうやら、夜型は一発当たればデカい仕事につきやすく、朝型は堅実な職業に落ち着くケースが多いようです。そのため、収入の平均をとった場合は、夜型のほうが稼ぎが大きくなるのかもしれません。

 とはいえ、以上のデータは観察研究がメイン。「夜ふかしをすれば頭がよくなる!」という話ではないのでご注意ください。あくまで、知能が高い人ほど夜ふかしになりやすい傾向があるだけです。

 そもそも、朝型になるか夜型になるかは遺伝の要素が大きく、意志の力でどうこうできるものでもありません。これまでの研究によれば、ヒトの体内時計のリズムはおよそ50%が生まれた瞬間に決まります(8)。早起きで人生が変わったような人は、たんにもとから朝型の遺伝子が備わっていただけなのかもしれません。

 いずれにせよ、「もっと早起きすれば幸せになれるのでは…」などと悩むのは時間のムダ。自分の体内時計のメリットを活かすことを考えたほうが、よほど実りの多い人生を送れるでしょう。

<文/Yu Suzuki>

〈プロフィール〉

月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。

1.Catharine Gale, et al. “Larks and owls and health, wealth, and wisdom”

2.Richard D Roberts, et al. “Morningness–eveningness and intelligence: early to bed, early to rise will likely make you anything but wise!”

3.Mareike B. Wieth, et al. “Time of day effects on problem solving: When the non-optimal is optimal”

4.Christoph Randler, et al. “Eveningness is related to men’s mating success”

5.Christoph Randler, et al. “Relationship between morningness–eveningness and temperament and character dimensions in adolescents”

6.Díaz-Morales JF, et al. “Indecision and avoidant procrastination: the role of morningness-eveningness and time perspective in chronic delay lifestyles.”

7.Roger Dobson“If you want to get ahead, be a night owl”

8.Christoph Randler“The Early Bird Really Does Get the Worm”

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/19(火) 16:20

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