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INORANが語る「写真」の魅力:「目線も変わったし、時間の考え方も変わった」

ローリングストーン日本版 7/20(水) 18:00配信

ローリングストーン日本版 インタヴューアーカイヴ
2015年9月号掲載:RS CAMERA INORAN

【写真あり】INORANが語る「写真」の魅力:「目線も変わったし、時間の考え方も変わった」

今、世界に活動の場を広げているギタリストINORAN。彼がハマっているもののひとつがカメラだ。カメラを持つことによる時間や空間への意識の変化は、彼の曲に対する考え方も変えたという。INORANの視線を動かすものとは?

─普段から写真は撮るんですか?

はい。でもよく撮るようになったのは、6、7年前くらいから。ツアーでいろいろな場所へ行った時、その風景を残しておきたいなと思って。

─それ以前は、残そうと思わなかった?

ベタな言い方だけど、記録よりは記憶に残そうと。ファインダーを覗いているよりも、その瞬間を自分の眼で見ていた方がいいと思っていたんです。でも、カメラって世界を広げてくれるものなんだなって考え方が変わった。例えば、意外と空を見ていなかったんだなって気づいたり。

─何か、カメラを手にするきっかけがあった?

うーん、たぶんないと思います。理屈づけるといくらでもあるんですが、そうなってた。手に取るのも運だったというか、必然だったというか。ただ、やはりカメラを持ってから目線も変わったし、さっき空の例を出しましたが、横の動きしかなかったのが、上下の視線の動きが増えたり。心境的にもフォーカスがすごく深くなったと思う。あと時間の考え方も変わった。1秒が重なって1分になるってことを改めて感じたというか。雲の様子ひとつでも、1枚目と2枚目は全然違う。それは偶然なのかもしれないけど、偶然って何かと向かい合っていないと起こらない。だから常に一瞬一瞬と、眼で向かい合っていたいと思うようになった。

カメラ選びは楽器選びに通じるものがある。

─ちなみに、使われてるカメラって?

まさに『ライカ D-LUX』。ライカはカメラの王様で、腕がないといけないみたいなイメージもあったけど、手にしたら喜びがある。僕は、そこまでテクニカルではないし、説明書も読まないタイプだけど、逆に、使いやすいし、人に優しいカメラですね。デザインとして完成されているから、今回、グラフィックを加えるにあたり、なるべく邪魔したくないなって。

─楽器選びにも通じるものもある?

重なる部分はあると思いますね。楽器は、出せる音もそうですが、見た目も大事。見た目がよければ、それを持っている自分は気持ち良く演奏できる。写真だってそうでしょ? 好きじゃないと物との絆も強くならないし、物も自分を信用してくれない。『キャプテン翼』の"ボールは友達"みたいな、ね。

─なるほど。これまでに撮ってきた写真は、どうされていますか?

PCに保存していますが、ファンクラブの方で発表したことも。今回のアルバムも初回盤にブックレットが付いてますが、その半分くらいは自分で撮ったものです。

─見せたいという、表現欲も出てきた、と?

僕は音楽を作っているので、それが前提ですが、それに合ったものはプラスアルファで見せたい、と。

─なるほど。

あと、カメラを手にしたからこそ考えることもたくさんあって、まだ答えは出てないんだけど、海外の光って何で日本と違うんだろうって。全然違うじゃない?それって絶対に正解ではないとは思うんだけど、風が違うのかなって思ったり。風って、写真には出ないけど、太陽の光の屈折とかに影響してるんじゃないか、と。そういう意味でも物の見方はだいぶバージョンアップしたし、時間の考え方も、曲の考え方も変わったと思う。

─では、新作アルバムにもバージョンアップを実感していますか?

してないとマズいよね(笑)。今回のアルバムは、アメリカに曲を作りに行ったんです。というのも、僕は音楽を通してみんなと笑い合いたいと思っているから、シンプルに明るい曲にしたいと。でも、その頃、東京は天気がよくなくて、そんな時に明るい歌を作るのは、なんか嘘くさいなって思って。で、アメリカに。海外で曲を作りたいというより、天気や光の問題だった。

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最終更新:7/20(水) 18:00

ローリングストーン日本版

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