ここから本文です

なぜだ!米スタンフォード大のレイプ犯に大甘判決

JBpress 7/20(水) 6:10配信

 アメリカでは性的暴行事件が2分に1回発生し、年間28万人の被害者が出ている。これほど多くの事件がおきる背景には、「暴行してもつかまらない」という戦慄すべき実態がある。

 こうした事件では、取り調べや裁判の過程で被害者の心の傷が深まる「セカンドレイプ」や、加害者からの報復を恐れて被害者が口をつぐむケースが多い。性暴力の防止活動をする団体RAINNは、加害者のうち警察に通報されるのは34%、逮捕されるのは6.3%、実刑判決をうけて刑務所に入るのは0.6%にすぎないと推計している。

 レイプ犯100人のうち投獄されるのは1人に満たないのだとすれば、この国では性犯罪者が野放しになっていると言っても過言ではないだろう。

■ 全米に波紋を広げた名門大学のレイプ事件

 事件は2015年1月、カリフォルニア州の名門スタンフォード大学のキャンパスで起きた。1年生のブロック・ターナー(当時19歳)が、学生寮でおこなわれたパーティーで泥酔した女性(当時22歳)を屋外へ連れ出し、大型ごみ箱の陰でレイプした。

 2人の大学院生が現場を通りかかり、被害者に覆いかぶさっているブロック・ターナーを取り押さえたとき、被害者は完全に意識を失っていた。2016年3月に開かれた法廷では、陪審員による全員一致の評決でターナーの有罪が確定した。

 6月、この裁判で被害者が読み上げた異例の陳述書が全米に波紋を広げ、それに反応した女性たちが強い怒りの声をあげ、ついには法治国家の根幹をめぐる議論が巻き起こった。

 本稿(前編)では、12ページ7000語におよぶ陳述書が明らかにした被害者の悲惨な体験を共有したい。

■ 法廷で悲惨な体験を語りつくした被害者

 6月2日、ブロック・ターナーの量刑を決める法廷が開かれた。証言台に被害者エミリー・ドゥ(仮名)が立ち、陳述書を読み上げた。それは事件の夜、遠方に住む妹が久しぶりに帰宅していたこと、パーティーに参加するという妹と一緒に過ごすことにし、地味な色のカーディガンを着て出かけたこと、パーティーでは学生たちとの年齢差を埋めるため陽気に騒ぎ、お酒を飲みすぎてしまったいきさつから始まった。

 「学生時代と比べてまったく飲めなくなっていたことを忘れ、早すぎるペースで飲んでしまいました」

 飲みすぎの事実をエミリーは認めているが、たとえそうだったとしてもレイプ犯の責任がわずかでも減じられることはない。

 酩酊状態になった被害者を、ブロック・ターナーは寮の外へ連れ出し、地面を引きずってゴミ箱の陰へ連れ込み、洋服を下ろし、性器に異物を挿入するなどの乱暴をした。地面に落ちていた松葉が体内に大量に押し込まれた。

 「その次に記憶があるのは、担架の上に横たわっていたことです」

 エミリーは、病院に搬送された数時間後に酩酊状態から覚め、傷だらけの体の検査を受けた。

 「何本もの綿棒を性器と肛門に挿しこまれ、いろんな注射を打たれ、クスリを飲まされ、開かれた両脚のあいだにはニコンのカメラが向けられていました。長い膣鏡が押し込まれ、膣内には擦過傷を見つけるための冷たく青い塗料が付着しました」

 エミリーは呆然としながらも、自分がレイプされたという現実を理解し初めていた。

1/3ページ

最終更新:7/24(日) 22:15

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

なぜ今? 首相主導の働き方改革