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「レッドチーム」と「問いかけ」

コーチ・エィ 7/21(木) 7:40配信

中世からから20世紀まで、ローマカトリック教会には「悪魔の代弁者」と言われる役職を担う人たちがいました。彼らの役割は、場当たり的に行われていた聖人認定を改善すること。聖人候補者の人柄を評価し、その人が行った奇跡に疑問を投げかけ、聖人として認められることに反対することでした。そして、その反対意見をも越えた人のみを聖人認定することで、その神聖性や正当性を守っていました。

アフガニスタン紛争やイラク戦争の後、アメリカの指導者たちは、組織内に、「悪魔の代弁者」の役割を担う「レッドチーム」を根づかせていきました。「レッドチーム」は、たとえば、テロリストを装い、飛行機や重要施設に偽の爆弾や武器を持ち込めるかのテストを行ったり、軍事演習で仮想敵に扮し、アメリカ軍を無力化する活動を行ったりします。それらのプロセスを通して、アメリカ軍の組織の戦略の穴や弱点を見つけることを促進します。(※1)

何故、このように組織内に「反対者」ともいえる存在をつくることが必要なのでしょうか?

なぜ、あえて「反対者」を置くのか?

それは、私たちは組織や文化に馴染むことで、知らず知らずのうちに自分の言っていることや行動を「あたり前」のことと考え、客観的な判断ができにくくなるという傾向があるからです。

もし、組織のリーダーが自身の意見や信念に近いものばかりを選択する意識状態にあれば、自分とは真逆の意見や情報には、目がいきません。結果、組織運営に価値あることを見逃したり、反対に、組織の存続が危ぶまれる兆候を見過ごしたりすることにもなりかねません。

ある研究によれば、自分の信念を証明するデータが提示されると、チョコレートを食べた時と同様に、快感物質のドーパミンの分泌量が急激に増えるといいます。(※2) また、企業戦略の研究者であるマイケル・マクドナルドらの研究では、会社業績が悪化するほど、経営層は同様の意見をもつ人からのアドバイスを求める傾向にあるといいます。(※3)

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最終更新:7/21(木) 11:30

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