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新入社員に教えたい、「人並みの給料」は案外低い件について。(村山聡 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 7/21(木) 5:00配信

公共財団法人 日本生産性本部が7月7日に発表した新入社員「働くことの意識調査」結果によると、働く目的として「楽しい生活をしたい」と答えた割合が41.7%、働き方について「人並みで十分」と答えた割合が58.3%と、いずれも過去最高になったとのことです。

一概には言えませんが、仕事はほどほどにして、趣味などの私生活が充実した社会人生活を過ごしたいと考えている新入社員が相当数いると推測されます。

■人並な月額給与はいくらなのか?
そうはいうものの、楽しい生活をするには、お金が必要であり、そのお金は新入社員が入社した企業から支払われます。人並みな働き方をした場合、どの程度給与がもらえるのでしょう?

厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」の平成27年調査結果からみてみることにしましょう。

「賃金構造基本統計調査」には、5歳刻み年齢で区分けされた6月分の給与の分布データが存在します。「人並み」は定性的概念であり明確な定義はありませんが、上下2割を除いた中間の6割を「人並み」と仮定することにして、5歳刻み年齢区分における「人並み」な賃金をみてみることにします。

5歳刻み年齢  賃金範囲(円)   占有率  
20~24歳   18万 ~ 24万  59.7%
25~29歳   20万 ~  28万  59.0%
30~34歳   22万 ~ 34万  59.4%
35~39歳   24万 ~  40万  59.8%
40~44歳   26万 ~  45万  58.2%
45~49歳   26万 ~  50万  57.6%
50~54歳   26万 ~  50万  53.0%
55~59歳   26万 ~  50万  52.0%


「賃金構造基本統計調査」における給与の定義では、残業代や各種手当ては入っておらず、また税金や社会保険費も引かれていませんが、40歳を過ぎて月額給与が30万円を超えなくても現状では「人並み」な給料の範囲となることがわかります。

■人並の給与を年収に換算してみると?
では次に、賞与を含めた「人並み」の年収を計算してみましょう

「賃金構造基本統計調査」では5歳刻み年齢で区分けされた平均給与と平均賞与(年間)が調査されていますので、調査結果から、まず賞与が給与の何カ月分かを割り出してみます。

5歳刻み年齢  平均給与  平均賞与  賞与/給与
20~24歳    20.1万   35.8万   1.78ヶ月
25~29歳    23.5万   64.1万   2.73ヶ月
30~34歳    26.8万   77.3万   2.88ヶ月
35~39歳    29.9万   89.0万   2.98ヶ月
40~44歳    33.0万   103万   3.12ヶ月
45~49歳    36.2万   119万   3.28ヶ月
50~54歳    37.9万   127万   3.35ヶ月
55~59歳    36.5万   115万   3.15ヶ月

この割り出した結果から、「人並み」な年収の範囲を計算すると以下のようになります。

5歳刻み年齢    年収範囲(円)
20~24歳    248万 ~ 317万
25~29歳    295万 ~ 411万
30~34歳    327万 ~ 505万
35~39歳    359万 ~ 598万
40~44歳    393万 ~ 679万
45~49歳    397万 ~ 762万
50~54歳    399万 ~ 766万
55~59歳    394万 ~ 756万

さて、この年収の範囲は、新入社員が「人並み」な働き方をした結果として、得たい「人並み」な年収とはたして一致しているでしょうか?

■現実を見据えて、働く意識を変えるべき
就職した企業の給与水準の影響もあるでしょうが、上記の年収が想定していた「人並み」の年収より低いと思った新入社員の方は、早急に働き方に対する考え方を改めた方がいいでしょう。人並の働きで得られる給与は、あなたの想像していた人並みの給与額と必ずしも一致するとは限らないのです。

村山聡 中小企業診断士

最終更新:7/21(木) 5:00

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