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「生きてまた会おうぜ!」 怒髪天がツアー『 ジャパニーズ中年隊』で見せつけた男の生き様

リアルサウンド 7/20(水) 23:20配信

 怒髪天が、7月16日にZepp DiverCity TOKYOにて『怒髪天 TOUR 2016 ジャパニーズ中年隊 ~YOU、50プラス1本やっちゃいなよ~』を開催した。

 同公演は、アルバム『五十乃花』の発売を記念して開催した全国ツアー公演。本記事では、冬将軍氏が執筆したオフィシャルレポートを掲載する。(編集部)

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 「ほぼ、ファイナルと言っていいんじゃないかな」──この日、増子直純(Vo)がMCで語っていたように、同ツアーは7月いっぱいまで奄美・沖縄を含めた『ジャパニーズ中年隊がゆく。南国リゾート大作戦』と続くものの、事実上のツアーファイナルと言ってもいいだろう。まさにそれにふさわしい夜になった

 SE「男祭」に合わせて、高く挙げられたフロアいっぱいの手拍子と歓声に迎えられ、上原子友康(Gt)、坂詰克彦(Dr)、清水泰次(Ba)、と順に配置につく。増子が登場し、髪を整えたコームを客席に投げ入れると、「天誅!!」野太い一声で獰猛なサウンドが一気に襲いかかる。ハードコアナンバー「天誅コア」で口火が切られた。間髪入れずに「無敗伝説」へとなだれ込み、つづく「酒燃料爆進曲」ではダミ声も高らかに“お台場の空~“と会場に響き渡る。

 「よう来たぁぁぁ!!もうすでに最高です!」増子がオーディエンスの熱気を受けながら叫ぶ。「今回51本という、おそろしい無謀なツアーを、おかげさまでなんとか誰もCGにならず、実体としてここに来れた」相変わらず喋りのほうも絶好調だ。 「古い曲、新しい曲いろいろやるからお楽しみに」と、「明日への扉」「鰯ヘッド BOP」など、新旧織り交ぜながらのナンバーでバンドと会場の熱量は天井知らずにどんどん上がっていき、「すでに涙腺が6割方決壊しております」すでに汗と涙でぐしゃぐしゃになっている増子。「嬉しいんだよね、こんな人数が集まってくれて」 「俺らクラスになると、Zepp来るときも運転手付きの……! りんかい線ですからね」饒舌なMCで笑いを誘いながらもキメるところはバッチリキメてくれるのが怒髪天。「可燃モノ」「全人類肯定曲」では陽気な狂騒を打ち鳴らし、「69893」「207」ではブルージーに、男臭くニヒルに迫ってくる。ハードなツアースケジュールで、げっそりと身体が絞れたメンバーをよそに「一人だけ空気パンパン入ってる」と今日もイジられる“愛され・坂さん”のドラムも、モヒカン頭になったシミさんのベースもドッシリとアンサンブルの土台を支え、そこに王子・上原子のギターが彩りを与えていく。

 先日行われた『カムバック・サーモン2016“もっと愛されたくて半世紀”』の話からの成り行きで、まさかの松山千春「長い夜」カバーを披露。「DVDでは全カットだな」と、来場者だけの特別感。“この先、若いバンドに流れても「兄貴たちが寂しがってる」と思い出させる呪いをかけた楽曲”だという「焼け木杭に火をつけろ!」はこれまでと違った聴こえ方になりそうだ。

 終盤、会場一体の割れんばかりの大合唱に包まれた「雪割り桜」からの「セイノワ」はメッセージ性の強い同曲が本ツアーを以って、怒髪天&ファンに欠かせない楽曲となったことを目の当たりにした瞬間であった。そして、優雅に音楽で人生を謳歌する「歌劇派人生」で本編は幕を閉じた。

 アンコールでは、「俺たち大人がイヤな世の中でも楽しく生きてる姿を見せてやらんと!」と「オトナノススメ」。会場全体が右へ左へと大きく揺れ、目一杯の“オトナはサイコー!”コールで最高潮のフィナーレを迎えた。

 「今回のツアーで一番。武道館よりいいよ」一人ステージに残った増子が口を開いた。「俺たちの音楽はあんまり足しにならんと思うけども。マイナスにはならんから。イヤなことがあった時に、俺たちも同じ気持ちなんだなと思ってくれ」集まってくれたファンに感謝の意を述べ、自分たちができる恩返しは“解散しないこと”だという──。そして、最後の最後の言葉。

「いろいろ大変なことあるけど、最後に一つだけ約束。 生きてまた会おうぜーー!!!」

 そう叫ぶと、額が膝につくくらい深々と頭を下げた。50歳を迎えた男の生き様に、30年を超えて闘い続けるバンドの音楽とその姿に、割れんばかりの拍手が巻き起こったのだった。

冬将軍

最終更新:7/20(水) 23:20

リアルサウンド

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