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「自動運転バブル」はこのまま崩壊の道を歩むのか?

JBpress 7/21(木) 6:20配信

 「あの事故が、自動運転の普及にここまで大きな影響を与えるとは想像していなかった」

テスラ「モデルX」。昨年5万台以上を売り上げた(写真)

 米国での勤務経験もある、某日系自動車メーカーの自動運転開発者はそう漏らした。

 「あの事故」とは、2016年5月に米フロリダ州で発生したテスラモーターズ「モデルS」の死亡事故である。6月末になり、米運輸省・高速道路交通安全局(NHTSA)が本格的な調査に乗り出すことが、テスラ側の発表で明らかになった。

■ 車の上半分が吹き飛んだ

 米国のメディアが公開した事故当時の動画や写真を見ると、事故車の車体の上半分がない状態である。運転車が即死したことは容易に想像がつく。

 事故は、40歳男性が1人でテスラの5ドアセダン「モデルS」を、自動運転モードである「オートパイロット」を作動中に起きた。場所は片側2車線の道路。中央分離帯に広い緑地帯がある、米国の地方都市では一般的な道路だ。 

 その道路の左側から、大型トレーラーが本線に進入してきた。大型トレーラーは全長が長いため、数秒間は本線を走る車の前方視界を塞ぐ形になる。本線を走っている側から見ると、目の前に大きな壁が出現したように見えたはずだ。

 テスラ側の説明によると、この状態のとき、トレーラー後部のパネル部分の色(白色)と、トレーラー後方の空の色との差を、「オートパイロット」用の車載カメラが認識できなかった。そのため、「モデルS」は前方を塞ぐトレーラーに向かってそのまま突っ込んだという。

 トレーラーの台座の下には、地面との間に1メートル程の隙間がある。「モデルS」はそこに突っ込み、車の上半分が台座に激突して吹き飛んでしまったのだ。

■ 横方向からの進入の認識が甘い? 

 テスラ側の説明では「横方向からの画像認識技術がまだ確立されていない」ことが事故の原因だという。

 テスラが「オートパイロット」と呼ぶ機能は、フロントガラスの内側の中央上部に設置する単眼カメラと、車体前部のミリ波レーダーをセンサーとし、これら2つのセンサーが検知したデータを組み合わせることで、前方の物体を認識するというものだ。

 ここでキモとなるのが、単眼カメラによる画像認識技術だ。これをテスラは「モービルアイと共同開発」したと説明している。

 筆者は、2016年1月、テスラ本社で開催された「オートパイロット」車のメディア試乗会に参加し、サンフランシスコ・ベイエリアのフリーウエイ880号線でオートパイロットを体感した。

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最終更新:7/21(木) 6:20

JBpress

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