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20分で400万円を売るセールスマンが読んでいる「空気」とは?

HARBOR BUSINESS Online 7/21(木) 16:20配信

 みなさん、こんにちは。空気を読むを科学する研究所代表取締役の清水建二です。

 本日は、微表情を利用して相手の感情を推し量るロジックについてご紹介しようと思います。

 世の中には、相手の感情を察して適切な行動をとれる人がいます。一方、相手の感情に鈍感で空気を読めない行動をとる人がいます。前者の人々がしていることは、意識・無意識にせよ、相手の感情を読む+感情に応じた対応をする、というものです。

◆20分で400万売るセールスマン

 私がお会いした最も凄いセールスマンは、20分の接客で400万の装飾品をお客様に購入して頂く腕を持っている方でした。その方の接客を観察していたときのことです。お客様にその装飾品の「ある」魅せ方を説明しているときに、お客様の嫌悪感を感じとり、すぐさま「先ほどの魅せ方もございますが、お客様のような上品な方でしたら、このような魅せ方の方がずっと素敵でございますね。」といったような会話に切り替え、商品の魅力をそのお客様にとって最も合うように伝えていました。

 微表情読みとり能力とその対応力に脱帽です。

 そんなの当たり前?簡単?

 出来る人には当たり前です。

 それでは、出来る人に質問です。ご自身の行動を言葉で説明できますでしょうか?

◆名人芸を「見える化」する

 これは意外と難しいのです。だからこそ、売り上げナンバーワンのセールスマン・保険の外交員、敏腕マネージャー、相手の懐に入るのが得意なネゴシエーター、ウソを見抜くのが上手い警察官といったコミュニケーション上手な人々にその秘訣を聞いても、「なんとなく」「長年の経験則」という回答だったり、皆それぞれ回答がバラバラだったりするのです。

 コミュニケーションの上達法が言語化されていない、すなわち「見える化」されていないため、コミュニケーション下手の人は、上手な人の背中を見て学ばなければなりません。それはそれでもよいのですが、科学的に解明された、コミュニケーションの流れ、感情の読みとり方やロジックを知ることで、コミュニケーション上手の人々の暗黙知を「見える化」させることができます。そうすることで、コミュニケーション下手の人でも(また、ウソ検知のような高度なコミュニケーションを必要とする人にとっても)、適確にコミュニケーションのスキルを向上させることができるのです。

◆「空気を読む」3つのステップ

 相手の感情を推し量り、適切な行動につなげるロジックを大胆にまとめます。そうすると、次の3ステップに集約することができます。

①表情・感情の特徴を知る

⇒知識習得の段階です。例えば、「鼻の周りにしわが生じたら、嫌悪感情ですよ。」「嫌悪感情とは、不快なヒト・モノ・言動を感じると生じますよ。」「嫌悪の機能は、不快なモノ・ヒト・言動を取り除く、というものですよ。」といった表情と感情に関して正確な知識を学ぶ段階です。

②微表情に気づく

⇒観察力養成の段階です。どんなに知識があっても刻一刻と変化する表情の変化や感情の変化に身を持って気づける必要があります。微表情を含め、言語・非言語から発せられる相手の感情表出に気づく力を養成する段階です。

③感情機能をサポートするアプローチをとる

⇒実行の段階です。例えば、②の能力によって、相手の嫌悪の微表情に気づきます。①の能力によって、相手の嫌悪感=不快なヒト・モノ・言動を取り除く、という行動をとる段階です。特に相手の顔に微表情が浮かんでいる場合、嫌悪感情が抑制されているため、それを解放させてあげるアプローチをとることで、コミュニケーションが円滑に運ぶ可能性を高めることができます。

 この3ステップが、コミュニケーション上手な人が、意識・無意識問わず、日々行っていることです。

◆セールスマンが話したいこと≠お客様が聞きたいこと

 一つ具体例でご紹介しましょう。

 セールスマンがお客様の新商品の紹介をしているシーンです。新商品のセールスポイントは5つ。限られた時間の中で全てのセールスポイントを言うべきか否か?

 コミュニケーション上手なセールスマンは、セールスポイントを一つづつ紹介し、お客様の顔に嫌悪の微表情が浮かんだら、すぐさまお客様にとってそのセールスポイントが気にくわないものだと察し、そのセールスポイントに関してフォローを入れます。もしくは、興味・関心の微表情が浮かんだセールスポイントについて集中的に説明し、お客様の感情に沿った商品説明をします。

 同じペース・同じ比重でセールスポイントを説明するのではなく、お客様の感情の向う先、興味の矛先に応じたセールストークが大切なのです。全てのセールスポイントを薄く説明するよりは、お客様が興味を示す2つか3つのポイントに絞って説明する方がずっと効率的です。もちろん、それには細やかな観察力、特に微表情検知力が強力なツールとなります。

<文・清水建二(しみずけんじ)>

株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でコミュニケーション学を学ぶ。学際情報学修士。 日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、日本ではまだ浸透していない微表情・表情の魅力、実用例を広めるべく企業コンサルタント、微表情商品開発、セミナー等の活動をしている。また、政治家や有名人の微表情を読んで心理分析するなど、メディア出演の実績も多数ある。著書に『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社・7月22日発売予定)がある。

【ビジネスで活用する微表情学第6回】

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:7/21(木) 16:26

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