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【指揮官コラム】カターレ富山監督 三浦泰年の『情熱地泰』|サッカーを知らない人々に向けて何を示せるか?

SOCCER DIGEST Web 7/22(金) 18:54配信

売れる製品を作るか? 誰も作ったことのない製品を作るか?

 富山に住み始めて、半年が過ぎた。
 
 先日、51歳(7月15日)になり、心、新たにリスタート。この世に生を受けて半世紀が経ち、サッカーへの想いはますます深いものとなり、同じように富山に対する愛着も日々強くなってきている。
 
 この半年で数多くの人が富山に足を運んでくれた。この夏も、さらに多くの人が訪れる予定を組んでくれている。
 
 そんななか、梅雨の真っ只中の蒸し暑さが厳しくなってきたタイミングで富山に会いに来てくれた知人(友人かな…)がいる。食事をしながらゆっくりいろんな話ができ、練習場の近くにある白海老を美味しく食べさせてくれる店で富山の味を堪能した。
 
 本来なら僕が招待し、街やクラブを紹介しつつ、「おもてなし」しなければいけないところなのだが、彼の知る店で富山を味わいながらのひと時であった。
 
 サッカー界とは異なる世界で生きる、その分野の第一線を走る人なのだが、スポーツ界でもない異業種の人の言葉というのは本当に貴重である。
 
 その彼が僕に語ってくれたなかで、こんな話があった。何年か前の大手企業の話だそうである。
 
 ふたつのライバル企業が新製品を開発、発売するにあたり、一方の企業では新製品を前に上司(役員)が製品開発を担当した部下にこう聞いたそうだ。
「これは売れるのか?」
 
 そして、もう一方の企業では上司がこんな質問をした。
「これは他では出していないか?」                          
 
つまり、前者の上司は世の中に受け入れられるものかどうかを確認したのに対して、後者の上司は新しいものへのトライなのかどうかを確認した、ということだ。
 
 そこにはやはり企業間の考え方の違いが、製品の差となって出ていたようだ。ただ、それも年が経てば、または上司が変われば一瞬のうちに立場が入れ替わる。
 
「この製品は売れるのか?」はサッカーの世界で言えば、
「この戦力を揃えたから勝て」「この選手で勝てるのか?」
なのであろうが、大事なことは「どんなサッカーをやろうとしているのか?」だろう。
 そして、そのサッカーとは、
「どのチームもやっていない(斬新な、魅力的な)サッカーなのか?」
 そのサッカーをするために、
「どんなトレーニングをしているのか?」「どんな事を選手に言っているのか?」
と続く。
 
 それが目標を達成するために大事なことなのである。
 
 ただ、そこはスポーツの世界。それもプロスポーツの世界は結果で示すしかない。分かりやすく言えば「数字がすべての世界」だ。
 
 売れる製品を作るか? 誰も作ったことのない良い製品を作るか?
 
 どっちにしろ、「売れれば」どっちでも良いという考え方になる。
 
 良い製品を作れば必ず売れる。そんな信念で、売れない製品を何個も作った人は世界中にたくさんいるであろう。
 
 ただ作らなければ、何もしなければ、何も生まれない。
 
 サッカーの世界もそうだ。これが勝利するためと信じてやりきっていく。それは誰が決めるのかは「自分自身」なのである。失敗しても何度も何度もやり直していくことで成功が生まれるのである。
 

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最終更新:7/22(金) 19:58

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