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犯人が野放し?レイプ犯罪にこんなに甘い米国社会

JBpress 7/22(金) 6:15配信

 前回(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47374)は、スタンフォード大の花形水泳選手が引き起こしたレイプ事件の詳細と、全米を驚かせた判事の決定について記した。

 被害者エミリー(仮名)の陳述内容とともに、裁判の結果が知れわたったとたん、「正義は行われなかった」という怒りの声が全米に広がった。声をあげたのは、主に女性たちだった。

■ 「熊手を持って立ち上がれ!」

 ふだんは結婚や子育てについてのブログを綴っているクリステン・メイは、エミリーの陳述書を読んだ翌日、「熊手を持って立ち上がれ」と題した記事を書いた。アメリカの熊手(ピッチフォーク)は、鋭い3~4本の切っ先を備えたフォークのような形をしており、武器として十分に使える。ピッチフォークという言葉からアメリカ人が思い浮かべるのは、民衆の一斉蜂起だ。

 エミリーがこうむった取り返しのつかない損失に比べれば、加害者の失われた将来など「屁でもない」と怒りをあらわにするクリステンは、水泳部員時代のターナーの写真を貼りつけ、名前を連呼した。

 「お前の名はブロック・ターナー。そう、ブロック・ターナーだ。おや、写真が1枚あったぞ。そうだ、これがブロック・ターナーだ」

 「私たちはお前の名前と顔をソーシャルメディアに拡散させてやる。そうすれば、すべての女性がお前のそばで酒を飲んだり、それどころかうっかり近寄ったりもしなくなるだろう」

 ターナーがわずか6カ月、実際には3カ月で釈放されることを知ったクリステンは、ターナーを永久に監視しようと読者に呼びかけたのだった。

 「エミリーだけではない、すべての女性のための正義が損なわれた。熊手と松明(たいまつ)を持って集結し、ブロック・ターナーに相応の罰を与えよう。正義が私たちを守ってくれないのなら、どんな手を使ってでも自衛するしかない」

 このブログへの反響は大きく、フェイスブックだけでも57万回以上共有され、全米に拡散していった。

■ 判事の罷免を求めて署名が殺到

 クリステンがブログを書いた同じ日、フロリダに住むマリア・ルイーズは、「軽すぎる量刑」を決定したアーロン・パースキー判事を罷免するための活動を開始した。

 社会変革のためのオンライン署名サイト「Change.org」を通じ、カリフォルニア州議会が判事を弾劾するための公聴会を開催するよう求めたのだった。マリアはこう訴えた。

 「白人で名門大学のスター選手だからといって寛大に扱われるべきではないという見識が、パースキー判事にはありませんでした。さらに判事は、性的暴行が犯人の社会階層や人種・性別などあらゆる要因にかかわらず法律違反であるというメッセージを社会に送ることをしませんでした」

 署名者は数日のうちに120万人を超えた。

 マリア・ルイーズは矢継ぎ早に動き、この件をホワイトハウスにも訴えた。ホワイトハウスには、署名者が10万人をこえる請願についてはこれを受理し、なんらかの対応をする仕組みがある。パースキー判事の罷免を求める請願の署名者は、数日で10万人を突破した。

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最終更新:8/28(日) 22:15

JBpress

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