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日本株のこの先を見通す「シナリオ別」注目銘柄とは

会社四季報オンライン 7/22(金) 17:51配信

 6月末の英国のEU離脱ショックで急落したものの、金融緩和期待などによりリスクオンムードも生まれつつある日本市場。野村証券の尾畑秀一マーケット・エコノミストは、変化の大きい相場を見通すうえでは、複数のシナリオを想定し、その時々でどのシナリオに近づいているのかをチェックして投資判断を柔軟に見直すことが大切だという。

 ――世界経済の状況をどうとらえていますか。

 足元では欧州や日本を中心にマイナス金利が広がっている。格付け会社フィッチ・レーティングスの調査によると、6月27日時点で世界の国債残高20兆ドルのうち11.7兆ドルと半分以上がマイナス金利となっている。マイナス金利になっている背景には、各国の中央銀行が緩和政策をとらざるをえない状況がある。それはグローバルな需要不足により、インフレ率が上昇していないという要因が大きい。

 野村証券では世界の実質GDP成長率は潜在成長率と目される3%を達成可能とみていたが、英国のEU離脱(ブレクジット)決定を受けて、0.2%だけ下方修正した。修正幅から見ればブレクジットの影響は軽微であるが、世界経済の成長率は潜在成長率を下回る見込みだ。

 需要不足解消に向けた政策対応としては、財政出動や構造改革による需要喚起策が必要だ。まず、海外の状況を見ていくと、米国では大統領選挙前ということもあって財政出動の議論にはなっていない。しかし、潜在成長率近辺の成長ペースが続き、需要不足は少しずつ緩和されている。金融政策の正常化が模索されているものの、低金利は継続している。

 欧州ではドイツで移民対応から財政は拡張されており、スペインでは構造改革も行われている。中国では財政政策と構造改革を同時に行いながらソフトランディングしようとしている。需要不足が継続する中で、金融政策は緩和基調が続いている。

 ――日本については? 

 日本も海外と状況は同じだ。秋の臨時国会では補正予算による景気対策が決まり、構造改革も行われるだろう。需要不足が継続する中で、金融緩和も継続される。このような状況の中で、株式市場はレンジ相場となるというのがメインのシナリオだ。

 一方、財政出動をして、その財源である国債を日銀が引き受けながら、日銀が保有する国債を凍結するという「ヘリコプターマネー論」が一部で出ている。しかし、これは行き過ぎると財政の信任、円の信頼を失う可能性がある。その場合、超円安を招き、株価は一時的に下落した後に超円安の恩恵を受けてリバウンドで上昇するという「悪い株高」となるシナリオも考えられる。

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最終更新:7/26(火) 19:31

会社四季報オンライン