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巨人内海哲也、生え抜き最年長投手の現在地

ベースボールチャンネル 7/23(土) 11:00配信

結果が出なければ「叩かれる」世界

「10あるうちの9を頑張っても、残りの1を抜いてしまうと、周りは抜いた1を見る。だから一切手を抜かず、全力で走り続けなくてはならない」
プロレスラー棚橋弘至は自著の中でそう書いている。
どんなに時間をかけて築き上げたものも一瞬で失ってしまう。
それはプロ野球選手だって同じことだ。
実績のあるベテランでも、年を重ね全盛期のようなパフォーマンスができなくなる。
そんな時、どんな功労者もファンやマスコミから「もう終わった」と叩かれるわけだ。
最近で言えば、精彩を欠く阪神の鳥谷敬は関西マスコミで猛烈にバッシングをされているし、巨人では山口鉄也が600試合登板の記念試合でDeNA筒香嘉智に28号サヨナラホームランを浴びた。

今思えば、セットアッパー山口の全盛期は凄まじかった。
チームが五冠に輝いた2012年には72試合に登板して防御率0.84。
さらに中日とのクライマックスステージでは4試合に登板。
日本ハムとの日本シリーズでも3試合を投げ胴上げ投手。
しかも真夏のオールスター第1戦でもマウンドに上がって皆勤賞。
すべて合計するとちょうど「年間80試合登板」というMVP級の活躍だった。
だからこそ、今シーズンの0勝4敗、防御率5.68という数字を見るとプロの世界の厳しさを痛感する。
過去の栄光なんてマウンドでは何の役にも立ちやしない。

巨人の先発陣をバックアップする内海

そして、この山口とともに原巨人黄金時代の投手陣を支えたのが内海哲也である。
11年、12年と2年連続最多勝を獲得。12年には日本シリーズMVPにも輝いた元エース。
ここ数年は故障を抱え不振に喘いだが、4年契約の最終年を迎えた今季は9試合に先発して5勝3敗、防御率3.76。
19日の阪神戦(甲子園)では7回1失点、6者連続11奪三振の快投。
開幕からローテで投げていた高木勇人は15試合で4勝(防御率4.82)、今村信貴は13試合でわずか2勝(防御率5.66)と結果の出ない若手投手たちが2軍降格する中、1軍復帰した内海が苦しい先発陣の救世主的な働きをみせている。
昨オフ、先輩の久保裕也が自由契約となりDeNAへ移籍。
今季から82年生まれの内海が生え抜きでは最年長投手になる。
93年に導入され2006年まで14年間続いた希望入団枠制度のドラフトで、巨人を逆指名した選手はのべ22名。
そのうち、今もチームに在籍するのは00年1位逆指名の阿部慎之助と03年自由枠の内海のみである。
彼らは22名中たった2人の生き残りというわけだ。

数年前はチームの中心にいた2人も、時が経ち由伸巨人では若手・中堅をバックアップする立場にいる。
理想を言えば、阿部が代打の切り札としてベンチに控え、内海がローテ5~6番手で投げられるようなチームがベストだと思う。
だが、世代交代が思うように進まない現状では阿部が「5番一塁」としてクリーンナップを任せられ、内海にはローテの中心としての期待が懸かる。
まだ先の話になるが、仮に今のまま2位をキープしてクライマックスシリーズに進出すれば、まずファーストステージは3枚の先発が必要になる。
現段階では菅野智之、マイコラス、そして経験豊富な内海哲也の3人が濃厚だろう。
勝ち星こそついている内海だが、1試合あたりの平均投球回5.8と全盛期と比較すると正直寂しい数字だ。
ただでさえ登板過多のリリーフ陣の負担を減らすためにも、夏場は長いイニングを投げることが求められる。

エースでもリーダーでもない、イチ投手として再出発を切った34歳のベテランの現在地。
内海哲也が目指すのは「復帰」ではなく、あくまで「復活」である。


中溝康隆

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/23(土) 11:00

ベースボールチャンネル

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