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欅坂46平手友梨奈は女優としても逸材だ! 『徳山大五郎を誰が殺したか?』で見せた将来性

リアルサウンド 7/23(土) 18:08配信

 テレビ東京系で土曜深夜に放送されている『徳山大五郎を誰が殺したか?』。欅坂46のメンバー21人が総出演するこのドラマは、ある朝教室で担任教師・徳山大五郎(嶋田久作)の遺体を発見した女子高生たちが、それを隠し通すためにというミステリーコメディだ。

 第1話では冒頭から担任教師の遺体を、欅坂46のメンバー全員が取り囲む。それぞれのメンバーはまだ知名度もそれほど高くないため、きちんと一人一人に特徴的なキャラクターが決められており、役名も実名で登場するというのはとてもありがたい。まだ欅坂メンバーを把握していなくても、入門編としての役割を充分に果たすのだろう。

 そもそも、「何故遺体を隠さなければいけないのか」という行動原理について疑問に思いながらドラマに臨んだわけだが、それは冒頭数分で解決する。教室の真ん中にどっしりと座る嶋田久作の遺体を直接触れてみたり、箒でつついたり、背中に刺さっている凶器のナイフを抜いてしまったりと、初めて見る人の死体に好奇心任せの行動をする。しかし冷静さが増してくると、誰か犯人判らない以上、自分が疑われるかもしれない、もしくは自分が殺してしまったのではないかと、遺体に関わることであらゆる不安が増していくというわけだ。

 そんな彼女たちの中で、主人公格になるのはやはり平手友梨奈だ。欅坂46のデビュー曲『サイレントマジョリティー』でセンターを張る、グループの中心メンバーである彼女は、このドラマでもその際立った存在感を発揮する。誰よりも先に遺体に近づき、手で触れて死んでいることを確認する彼女は、このドラマにおける探偵的な役割を担うのであろう。21人の登場人物の中で、彼女の視点だけが、観客の視点と最も近いものになるのだ。

 「平成の山口百恵」という、このアイドル戦国時代の中でも最も輝かしい称号を得た平手は、現在まだ15歳。現役の欅坂メンバー(けやき坂46は含まず)の中では最年少なのだが、それをまったく感じさせないほどに、教室の中では誰よりも大人びて、冷静な姿を見せる。このハードルの高すぎる異名に臆することない堂々とした芝居からは、将来性を感じずにはいられない。

 本業である歌唱面も、なかなかのものだ。先日の『FNSうたの夏祭り』で見せたパフォーマンスでは、ちょうど山口百恵の『ひと夏の経験』をグループ全員で披露。もちろんセンターを務めた平手は、難なく独特なトーンを掌握しているし、しかもパフォーマンス中、立ち位置が変わる際にちらっと映る彼女の目線の動きの完璧さは、もう「平成の山口百恵」と呼んでも遜色がない。これはとんでもない逸材が現れた。

 昨年放送された乃木坂46のドラマ『初森ベマーズ』や、それ以前のAKBグループ総出演となった『マジすか学園』シリーズと比較しても、格段にドラマの質は上がっている。同じように演技経験がほとんどないままドラマに挑戦するという点こそ共通しているが、ソフトボールをやるわけでもヤンキーに扮するわけでもなく、設定やキャラクターが突飛ではない。最大のネックになるセリフまわしも、自然体なままで充分通用するし、ミステリアスな世界観は脇を固める役者陣がきちんとサポートしてくれている。

 さらに、舞台のほとんどが教室を中心に、せいぜい廊下ぐらいまでしか広がらないのも、映像として面白みがある。必然的に、多くの場面で常に大勢のメンバーが画面に映っているということになるし、それぞれが思い思いに動作しているのも、決まった動作が必要ではない教室ならでは。また、青々とした画面や、スローモーションがかったインサートなど、中島哲也監督の『告白』をはっきりと意識したような演出が頻繁に登場するのも、作品のカラーをしっかりと固定することになっているのだ。

久保田和馬

最終更新:7/23(土) 18:08

リアルサウンド

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