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映画『ロスト・バケーション』:美人サーファーとサメの死闘

ローリングストーン日本版 7/23(土) 10:00配信

この夏、息詰まるサスペンス・スリラーで、ブレイク・ライブリー がサメだらけの海に取り残される。

【動画あり】映画『ロスト・バケーション』:美人サーファーとサメの死闘

ビキニ姿のホットなブロンド娘がホホジロザメに襲われる映画ならみんな観たがるだろう。――そういう愚かなハリウッドの考え方が、使い捨てのサマー・ムービーを生む。『ロスト・バケーション』も、そんな映画のひとつだ。しかし、『ジョーズ』のようなクラシックとは一線を画すこの息詰まるサスペンス・スリラーは、私たちを震え上がらせる。

テレビドラマ『ゴシップ・ガール』でブレイクして以来、女優として着実に実績を挙げているブレイク・ライブリーが、亡き母が好きだったメキシコのビーチでひとりきりの時間を満喫しようとする医学生のナンシーを演じる。サーフボードと携帯電話で武装したナンシーは、FaceTimeで家族に電話し、故郷のテキサスの事情を説明する。幼い妹は、お姉ちゃんの所へ行きたいと言う。父は、ナンシーが医大を辞めたがっていることにまだ腹を立てている。――母の死が彼女の痛手になっているのだ。最初に、ナンシーは別の種類の肉食動物に遭遇する。他には誰もいない入り江に、2人の若いメキシコ人サーファーの先客がいたのだ。ひとりは、都合よく頭にGoProのヘルメットカメラをつけている。一緒に行こう、と彼らは気さくに彼女に声をかける。彼女は微笑むが、誘いには乗らない。

ちょっと待て、スリルを求めている観客をこれ以上待たせる気か? 監督のジャウマ・コレット=セラ監督(『フライト・ゲーム』)と脚本のアンソニー・ジャスウィンスキーは私たちの気持ちをわかっている。だからこそ、ひとりの少年がビーチでカメラを見つけて、サーファーがサメに丸飲みにされる映像が映るフラッシュフォワードで映画が始まる。なるほど、いいアイデアだ。

B級映画のテンションで私たちをとりこにする

ビーチに戻ると、ライブリーのスタント・パーソンがハングテンで、恐ろしいサメが潜む大きな波に乗っている。そこには、ナンシーとサメしかいない。あらかじめ、やたらに説明的な男たちが、200ヤード沖合に引き潮の時にしか見えない岩場があると彼女に話していた。ナンシーは、サメから逃れるためにその岩を使うのか? スタジオは、こんな荒唐無稽な映画のチケットに高い金を払わせ続けるのか?

映画の続きでは、ナンシーとサメの死闘が描かれる。医学の知識を活かし、我らがヒロインはウェットスーツを止血帯にしたり、ネックレスを使って噛まれた跡を縫合したりする。救助を待つナンシーは、傷ついたカモメに亡き母の姿を重ね合わせ、心情を吐露する(サメは学校を辞めるなという警告なのかな)。何もかもが馬鹿げている。しかし、コレット=セラとライブリーは容赦なくB級映画のテンションで私たちをとりこにする。そして、私たちはまんまと食いつく。

ロスト・バケーション
★★1/2

主演:ブレイク・ライブリー / 監督:ジャウマ・コレット=セラ
2016年7月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
http://www.lostvacation.jp/splash/

Translation by Naoko Nozawa

Peter Travers

最終更新:7/23(土) 10:00

ローリングストーン日本版

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