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日銀が債務超過になりそうだが、それが何か問題ですか? (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 7/24(日) 5:31配信

日銀が大赤字になって、債務超過(資産より負債が多い状態。民間企業なら倒産するような状態)になる、と心配している人が大勢います。しかし、筆者は心配していません。今回は、日銀の財務の健全性について考えてみましょう。

■日銀がすぐに債務超過になるわけではなさそう
日銀は、巨額の国債を、非常に低い金利(最近はマイナス)で購入しています。同時に日銀はインフレ率2%を目指しています。彼等が目標を達成して極端な金融緩和を終了すれば、彼等が保有している国債の市場価格は大幅に値下がりするでしょう。もっとも、日銀の決算では原価法が採用されているので、ただちに日銀が債務超過に陥ることは無いようです。オーバーパーで購入した部分は毎年少しずつ消却損が出るようですが、これは無視出来る範囲でしょう。

日銀の資産である国債が原価法だとして、ゼロ金利だとすると、満期まで資産サイドは何も変化しないことになります。では、負債サイドはどうでしょうか。日銀のバランスシートを見ると、発行銀行券という項目がありますが、これは日本銀行券が日本銀行の負債として認識されている、というだけのことであって、これも時間の経過とともに変化することはありません。

負債項目で大きいのは、預金(準備預金)です。これは、一部に付利され、一部マイナス金利ですが、これも無視出来る範囲でしょうから、無利息としておきましょう。したがって、何事もなければ、日銀の資産も負債も現在のままで国債の償還を迎えることになり、日銀は債務超過には陥らずに済みます。

■インフレになれば日銀は債務超過になりそう
しかし、物価が上昇している時には、買い急ぎの動きが見られる可能性があります。そうなると、準備預金が引き出されて物品の購入に使われるようになり、一層物価が上がり、一層の準備預金が引き出され、2%を大幅に上回るインフレになるかもしれません。そうなれば、金融を引き締める必要が出て来ます。

準備預金の引き出しを食い止めるためには、預金準備率を引き上げるという手段が可能ですが、インフレ時に預金準備率の大幅な引上げを行なうことは、実質的な銀行への課税になりますから、あまり極端な事は出来ないでしょう。そうなれば、準備預金の金利を引き上げるしかありません。

日銀の資産は金利を産まない国債で、負債は利払いが必要な準備預金となりますから、単年度の決算は大赤字となり、遠からず純資産もマイナスになるかもしれません。

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最終更新:7/24(日) 5:31

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