ここから本文です

X21吉本実憂、優等生キャラで物語をどう動かす? 『時をかける少女』のSF的恋愛模様を考察

リアルサウンド 7/24(日) 12:28配信

 先生に想いを寄せる女子高生の恋愛模様を描いた『時をかける少女』第2話(7月16日放送)では、様々な伏線とタイムリープする上での制約が明かされた。

 第2話の冒頭では、深町翔平(菊池風磨)とゾーイ(吉本実憂)が未来へ来た目的が明かされていく。彼らが暮らす22世紀には季節がなく、“ある日”を境にずっと雪に覆われた世界になっているとのこと。この時代には、“夏”を調査するためにやってきたようで、“夏を知らない君へ”という図鑑のようなものを片手に昆虫や草花の採集を行い、その結果を未来にいる教授へ報告することが目的のようだ。当初は3時間のみの滞在の予定だったが、深町のミスで2122年に帰れなくなったため、人の記憶を改竄できるモノリスのような道具を駆使し、主人公・芳山未羽(黒島結菜)たちの日常へ潜入していく。

 第1話では鳴りを潜めていたゾーイ役の吉本実憂も、第2話では未来の状況を語る語り部として、ぐいぐい物語に参加してきた印象がある。ゾーイは深町の後輩にあたる人物で、少しとぼけた性格をしている深町とは対照的に、常識をわきまえている優等生風の役柄だ。上戸彩や忽那汐里を輩出する“全日本国民的美少女コンテスト”の第13~14回ファイナリストで構成されたアイドルグループ“X21”で、最年長リーダーを務める吉本には相性のいい役柄と言えよう。ただ、常識人だと思わせておきながら、頼りない深町に見せるS気のある一面や、空腹のあまり小学生に助けを求めるおちょこちょいぶり、“キス”や“恋”というフレーズにそれとなく関心を示す素振りは、ギャップ的な効果も含めて実に可愛らしい。第2話でも、物語のキーとなることに関わっていくので、今後、重要人物になっていく可能性は大いにありえる。

 そして第2話では、時を越えても“人の運命”は変えてはいけないという制約を、高月彩良演じる女子高生・松山実穂の恋愛模様を通して描いていた。ことの発端は、心臓移植を経験した高校生・西岡光(森永悠希)が、心臓の移植後に性格が変わったことを未羽たちに告白する。深町に止められるも、好奇心からタイムリープで西岡のドナーを捜索。そして、自転車のブレーキの不具合から事故死した女子高生・松山実穂が西岡のドナーだと突き止めると同時に、彼女が数学教師の矢野和孝(加藤シゲアキ)に恋心を抱いていることも知ってしまう。生徒と教師の許されざる恋だと考え、卒業まで好きな気持ちを秘めておこうと我慢している松山を見て、彼女になにかしてあげたいと考えた未羽は、過去の松山の姿を写真に収めて矢野に渡すことを考えるのだが……。

 ここで未羽の前に立ちはだかるのが、タイムリープものにはお約束の“タイムパラドックス”である。過去で松山の事故死をないものにすると、未来で松山の心臓を移植した西岡が消えてしまう。その狭間で葛藤する未羽の様子や、報われるかもしれない恋心を胸に死の運命を辿る松山の姿を見て、涙した視聴者もいたようだ。放送後のSNS上では「時をかける少女2話観てボロ泣きした」「時をかける少女2話。感動した。久しぶりに号泣だった」というコメントも上がっていた。タイムリープものの醍醐味であるSF的な制約は、“救えるのに救えない”、“何度も同じ結末を繰り返してしまう”といったある種のジレンマがつきものであり、そこが視聴者の心を揺さぶるのだ。と言いつつ、第1話では未羽が浅倉吾朗(竹内涼真)の告白をないものにしたり、深町が未羽の記憶を改変したりとやりたい放題だったが……。

 また、第2話には、事故死の原因が自転車のブレーキ、変な声と共に気軽に時間を飛び越えまくる未羽の様子、深町と未羽の顔が重なり合う描写など、アニメ映画『時をかける少女』のネタが散りばめられており、そこに反応する人々もいたようだ。新しい要素を加えながらも、ファンの心をくすぐる過去作のオマージュや小ネタを取り入れていくところには、過去作へのリスペクトとファンを気遣う心意気が感じられて好感が持てる。

 第2話の視聴率は6.6%と振るわなかったが、裏番組に『土曜プレミアム・ワンピース ハートオブゴールド』『音楽の日2016』『アメトーーク 高校野球大好き芸人SP』など、各局の目玉級の特番が並んでいたことも影響しているだろう。本日7月23日に放送される第3話では、ゾーイが転校生として未羽たちのクラスメイトにやってくる。さらには、人間関係が大きく変わる青春の大型イベントである学園祭“雅涼祭”の模様が描かれるとのこと。登場人物たちの関係性も、よりドラマティックに変わっていきそうだ。

泉夏音

最終更新:7/28(木) 10:29

リアルサウンド

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。