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村上虹郎、不良役に漂う“ただ者ではない”感ーーその目力で二世のハードル越えるか

リアルサウンド 7/24(日) 19:03配信

 村上虹郎の“目”は不思議だ。口でセリフを放つ以上に、 “目”で物を言うのだ。2年前に突如現れ、凄まじい勢いで躍進し続ける村上は、現在放送中のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)に不良グループのリーダーとして出演している。父である村上淳と母であるUAの息子で、いわゆる“二世俳優”の村上だが、それだけで人気を博しているわけでは決してない。

 現在公開中の映画『デストラクション・ベイビーズ』では、主演・柳楽優弥演じる芦原泰良の弟・将太役で出演し話題となっている。村上は、2014年7月に公開されたデビュー作『2つ目の窓』で主演を務め、わずか2年で映画、ドラマ、CMと活躍の場を広げている。『2つ目の窓』でメガホンを取った河瀬監督は、「別に2人の子どもだからって、虹郎を起用したわけではありません。自然に負けない存在感がある」(引用:村上淳の息子・虹郎「いま4人の母がいるんですよ」 俳優デビューで豊かな経験)と、当時のインタビューで、コメントしている。さらに、同作で共演した父・村上淳も「同業者として、これほどの素材はないと感じた。自由にやればいい」(引用:村上虹郎アドリブ「何で母さんと別れた」)と、息子の実力を認めている。

 2015年JR東日本グループ「JR SKISKI」のCMでは、広瀬すず演じるヒロインを中心に、冬のゲレンデを舞台に三角関係が繰り広げられる物語で、運命の相手役の1人を演じ、「可愛すぎる!」とお茶の間を賑わせた。また、2015年に公開された映画『忘れないと誓ったぼくがいた』では早見あかりとW主演を務めた。メガホンを取った堀江慶監督は当時のインタビューで「村上虹郎君に一目会って彼しかいないと直感しました。ピュアで圧倒的な存在感、さらに全体に漂う繊細さがあり、天性の才能を感じました。血ですね。現場ではまるで人間ではない動物と対峙しているようです」と絶賛した。(引用:村上虹郎×早見あかりの映画『忘れないと誓ったぼくがいた』、早見はキスシーン初挑戦)

 そんな村上に対しSNSでは、「空気感が素敵」「イケメンすぎ」「独特の世界観と色気」など賞賛の声が相次いでいる。また、村上のSNSでは、存分に彼の個性が発揮されており、その異彩を放つ文章と写真に魅了される人々も少なくない。

 さて、現在放送されている彼が主演のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)に話を戻そう。同ドラマでは、問題の多い美崎高校の生徒で、不良グループのリーダー青島裕人役で出演している。村上自身、現在19歳という若さであり、高校生という役柄を自然かつリアルに演じている。思春期特有の脆く、尖った雰囲気を全身に纏い、荒んだ心の中にある繊細さを全身で見事に表現。特に“世の中全てが気に入らねぇ”と言っているような“目”が何と言っても印象的だ。「あぁ、あるよね~。こういう時期。こういうヤツ」と視聴者を思わず納得させてしまうその“目”は、彼の魅力の1つであり、役者としての強みだろう。

 加えて、彼は同ドラマの“青島裕人”という役を素直に楽しんでいる印象だ。先週放送された1話目の最後のシーンで、彼が窓ガラスを豪快に割るシーンがあった。そのときの村上の“目”の輝きに、引き込まれると同時に、爽快感が胸いっぱいに広がった視聴者は多いのではないだろうか。多感で敏感な時期だからこそ、見える世界がある。そんな10代は、やはりどんなに捻じ曲がろうが、すべての物事に反抗しようが、楽しい。その楽しさを村上は、本作の中でリアルに感じているはずだ。

 豊かな感性と独特の世界観でいきいきと輝き、存在感を放つ村上。彼の目力は、とかく両親と比較されがちな二世俳優ならではのハードルも、やすやすと越えていくに違いない。

戸塚安友奈

最終更新:8/15(月) 17:00

リアルサウンド