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【新潟】最後に救世主になった男――GK守田達弥の一瞬の思考

SOCCER DIGEST Web 7/24(日) 7:00配信

「シュートを打ってくるとしたらあの形しかない。準備はできていた」

[J1・第2ステージ5節]大宮 1-2 新潟 7月23日/NACK
 
 試合終了が近付いた88分、スコアは1-2で新潟がリード。自陣深くの右サイドから、大宮の岩上祐三がロングスローを投げ入れた。76分にラファエル・シルバに代わってピッチに入っていた指宿洋史が、長身を活かして撥ね返す。

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 だが、ペナルティアークから再び金澤慎がゴール前へと押し返した。約2秒の出来事に新潟はラインを上げ切れておらず、相手FWの近くにボールがこぼれた。明確なピンチ。それでもゴールを守っていた守田達弥に焦りはなかった。
 
 急に現われたボールを視界に捉えつつ、右後ろに飛びながら、右手一本でゴールの外へ掻き出した。力のないシュートだったとはいえ、超至近距離。それを止めた。両ゴール裏から悲鳴と歓声が入り混じってスタジアムに響いた。
 
「相手の背中に隠れて、ボールを見えてはいなかった。でも、シュートを打ってくるとしたらあの形(後ろに倒れ込みながらのバイシクル気味)しかない。あの態勢からジャストミートするか分からなかったけど、しっかりと対応できた。準備はできていた」
 
 点差を考えても、時間帯を考えても、シチュエーションからはきっと会心のセーブだったに違いない。そう考えて「勝手に身体が動いたのか」を聞いた記者に対して、言葉どおり“守護神”であった守田は、事もなげに「想定内」と言い切った。
 
「ゴール前での危ないシーンはいくつかありましたけど、仲間たちが身体を張って守ってくれていた。だから、最後のところは自分がしっかりと仕事をしなければ、と……」
 
 先制点を許した場面では、アンラッキーのような形だったとはいえ、その仕事を完遂できなかった。「小泉(慶)がいいシュートブロックをしてくれた。でも、逆サイドへのクロスに意識を向けすぎて失点してしまった」
 
 ある意味でそのリベンジを果たせたのだろう。第2ステージでは、自分たちのサッカーを表現できていながらも、4節まで勝ち星に見放されていた。歯痒い戦いが続くなかで、自らのビッグセーブもあって、やっと1勝を手にしたのだ。
 
 積み上げた勝点は3に過ぎないかもしれないが、クラブにとって、これは大きな数字。「今のような戦いを継続しながらも、しっかりと結果を求めたい」。最後に救世主となった男は、そう強く言い残してチームバスへと乗り込んだ。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:7/24(日) 14:23

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