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HR業界TOPインタビュー/藤原 浩さん(株式会社マネジメントサービスセンター 代表取締役社長)【後編】

日本の人事部 7/27(水) 7:30配信

今年で創業50年を迎える株式会社マネジメントサービスセンターは、国内における人材開発コンサルティング業界のパイオニアです。1970年代に「ヒューマンアセスメント」と呼ばれる米国生まれの人材評価手法を、国内に初めて導入。今日までにのべ60万人を超えるマネジャー/リーダーの能力診断に活用された実績を誇り、同社では、その膨大なデータから、組織のリーダーとして活躍するために必要な能力特性を確立してきました。しかし、これほどの歴史と実績がありながら、藤原浩社長の言葉にはむしろ危機感がにじみます。「われわれのようなサービス業は本来、世の中に“なくてもかまわない”ビジネスです。それを“なくてはならない”存在として、お客さまから最初に選ばれるようにしなくては」――大変革期を迎えた業界で、先駆者としての優位性を保ち、さらに高めようとする意気込みをうかがいました。

(前編より続く)

「契約が続いている」=「お客さまが満足している」ではない

ただ、そんな非常時でもありがたいことに、かねてより長くご愛顧いただいてきたお客さまの中から、手を差し伸べてくださるケースがいくつもあったんです。関東のビルはダメになったけれど、関西のオフィスに人を集めてやりましょうとか、なかにはわざわざスペースを借りてまで、やりましょうといってくださるお客さまもいらっしゃいましたね。そう思うと、あの窮地をもちこたえることができたのは、もちろん社員の頑張りもありますが、半世紀にわたって築き上げてきた当社の歴史の財産といいますか、そういうものの力がやはり大きかったんじゃないでしょうか。

―― クライアントとの絆の強さ、深さを物語るエピソードですね。それはどのようにして築かれるのでしょうか。お客さまや仕事そのものに向き合う姿勢について、藤原社長のお考えをお聞かせください。

冒頭に申し上げたこと、つまりアンダーセン時代に刷り込まれた考え方が、いまも私のベースになっています。いただくフィーに見合う以上の価値を提供できているか、これをたえず、自らに厳しく問い直すということに尽きるのではないでしょうか。コンサルティングや教育ビジネスはもちろんのこと、およそサービス業に従事するものは、お客さまから見放されたらおしまいです。基幹産業などと違って、極端な話、世の中からなくなってもかまわないわけですから。それぐらい厳しい自己認識を持って仕事に取り組まなければ、生き残っていけないということは、社内でもつとめて発信するようにしています。

特にアセスメントは、いったんサービスがスタートすると、企業の制度の一部として組み込まれてしまうことが多いので、制度そのものがなくなったり、大きく変更されたりすることがない限り、ある程度継続されるんですね。ところが、契約が続いているからといって、それに見合う価値が提供できているかというと、必ずしもそうではありません。むしろ「続いている」イコール「価値が提供できている」と錯覚しやすく、その分、危険だともいえるわけです。まだ声にはなっていなくても、お客さまの中に疑いや不満の兆しが潜んでいるかもしれない。それをよく探して、何を変えていかなければいけないのか、逆にわれわれのほうから提案していく必要があるでしょう。お客さまとの関係が長く続くことはありがたいことですが、だからこそ、それにあぐらをかかないようにしなければいけません。

―― 社長は、ご自身をどういうタイプのリーダーだと自己分析されますか。

リーダーが万能である必要はなく、それぞれがそれぞれの強みを発揮し、活かしあえる組織が一番強いと、私は考えています。ですから、自分のやりたいことを実現するために、トップダウンで組織を動かすようなことはしませんし、やろうと思っても、私にはできません。すべての社員が自分の能力をフルに発揮できる環境を整えること――それが私の役割であり、私の志向するリーダー像です。

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最終更新:7/27(水) 7:30

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